食品表示に関する制度改正状況について(2026年版)(2)

By | 2026年2月4日

 近く改正予定の食品表示基準について、「食品表示基準及び食品表示法第六条第八項に規定するアレルゲン、消費期限、食品を安全に摂取するために加熱を要するかどうかの別その他の食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項等を定める内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」として意見募集(2025年12月26日~2026年1月30日)がなされました。改正内容が多く、かつ複雑であるため、第80回食品表示部会の「【資料2】食品表示基準の一部改正について」を参考に概要を整理したいと思います。

改正案のまとめ

1.個別品目ごとの表示ルール(旧JAS法由来事項)の改正

昨年に続き、新たに22品目について個別の原材料名、添加物、内容量の表示ルールや表示禁止事項等を廃止し、食品の定義や名称の規制なども一部改正。1品⽬(混合プレスハム)については完全に廃⽌。

例)マヨネーズ以外のドレッシング(「サラダクリーミードレッシング」「半固体状ドレッシング」「乳化液状ドレッシング」「分離液状ドレッシング」)は「ドレッシング」、ドレッシングタイプ調味料は「ノンオイルドレッシング」(定義に該当するものに限る)の名称の表示が可能に。

例)⾷⽤植物油脂の定義は限定列挙形式(⾷⽤サフラワー油、⾷⽤ぶどう油、⾷⽤⼤⾖油等)を廃⽌し、「植物の種⼦や果⾁などから採取した油であって⾷⽤に適するように処理したもの」と改め、あわせて名称も改正。

例)果実飲料の原材料名表示における『複数果実を使⽤した際、「果実」で括り、さらにその重量順で3番⽬以降の果実を「その他」と表⽰できる』を廃止。これに伴い、「柑橘類」でまとめる表示についてQ&Aに追加される。

2.個別品目ごとの表示ルール(旧食品衛生法由来事項)の改正

横断的義務表示事項等で代替が可能と考えられる事項、品質に関わるものであって義務的表示である必要がないと考えられる事項については廃止する。

例)食肉製品の「殺菌方法」、「⽔素イオン指数及び⽔分活性(⾮加熱⾷⾁製品)」、乳製品の「含まれる無脂乳固形分及び乳脂肪分の重量百分率」、「容器包装に⼊れた後、加熱殺菌した旨(ナチュラルチーズ)」等は廃止する。

例)食肉製品の「⾮加熱⾷⾁製品である旨」、乳製品の「飲食に供する際に加熱する旨」、冷凍食品の「飲⾷に供する際に加熱を要するかどうかの別」等は維持する。

例)冷凍食品の「凍結させる直前に加熱されたものであるかどうかの別」は、『「凍結直前加熱」の⽂字等凍結させる直前に加熱されたものであるかどうかの別を表⽰する』に改正する。

3.食物アレルギー表示の改正

カシューナッツを「特定原材料」に移行し、ピスタチオを「特定原材料に準ずるもの」へ追加する。

今後の予定

 今後は消費者委員会への諮問を経て、近く改正が行われる予定です。経過措置期間は、1と2の個別品目ごとの表示ルールの改正は令和12年(2030年)3月31日まで、3のアレルギー表示の改正は令和10年(2028年)3月31日までとなる見込みです。

 とりわけ1の個別品目ごとの表示ルール(旧JAS法由来事項)の改正案は複雑ですが、消費者委員会資料に「分科会における⾷品表⽰の今後の検討課題について」「2年間の検討の結果」として整理されていますので、見直しの全体像を把握されたい場合にはこちらを参照すると分かりやすいと思います。



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川合 裕之

代表取締役株式会社ラベルバンク
食品表示検査業をしています。国内と海外向けに、食品表示検査と原材料調査サービスを提供している経験をもとに、食品表示実務に関する講演をしています。

■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。

■主な著作物・寄稿ほか
【共著】

【寄稿】
  • 2025年 4月1日 『Wellness Daily News』(株式会社ウェルネスニュースグループ)「食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?」
  • 2024年 第65巻 第4号 『食品衛生学雑誌』(公益社団法人日本食品衛生学会)「海外輸出向け食品における各国基準(添加物、栄養成分表示)の調査と実務上の課題」
  • 2021年10月『Wellness Monthly Report』(株式会社ウェルネスニュースグループ)40号「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」

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