
2026年4月の食品表示基準改正に伴い、東京都、大阪市など各自治体による条例も一部改正がなされています。今回は、それらの条例に基づく品質表示基準の内容と、主な改正について整理したいと思います。
各自治体による条例とは、東京都消費生活条例、大阪市消費者保護条例などの地域別に定められたものを指します。そしてそれらの条例に基づく品質表示基準は、国の食品表示基準に対して追加的な規則を定めたものといえます。各地域内で流通、販売される食品が対象となるため、海外で製造された輸入食品でも同様の確認が必要です。
主な条例と対象品目
以下に、個別の品目に関する表示ルールを定めた主な条例を整理します。対象となる品目名は、2026年4月改正後のものを掲載しています。
| 自治体名 | 対象となる品目名 |
|---|---|
| 東京都 | 3品目(調理冷凍食品、かまぼこ類、はちみつ類) |
| 神奈川県(※告示) | 1品目(かまぼこ類) |
| 川崎市 | 1品目(かまぼこ類) |
| 名古屋市(※告示) | 1品目(かまぼこ類) |
| 京都市 | 9品目(プレミックス類、生めん類、つくだ煮類及び煮豆、焼き肉のたれ類、ふりかけ類、緑茶、インスタントコーヒー、カレールウ、調理冷凍食品) |
| 大阪市 | 10品目(蒸しかまぼこ類、焼肉のたれ類、鶏卵、生めん類、つくだ煮及び煮豆、緑茶、カレールウ、インスタントコーヒー、ふりかけ類、カットフルーツ) |
※本稿執筆時点(2026年4月24日)では、更新された基準全文の公開はされていません。
個別の表示事項の例
例1)「原料原産地名」の表示(東京都)
対象は輸入品を除く調理冷凍食品の主な原材料(重量割合上位3位までかつ5%以上の原材料及び商品名等にその名称が付された原材料)です(ただし容器又は包装への表示が極めて困難な場合には、表示事項の情報を別途提供する旨を記載することにより、表示に代えることもできます)。国の食品表示基準では「重量割合が最も高い原材料」が対象であるため、追加的な表示基準といえます。 東京都の定義する「調理冷凍食品」(アイスクリーム類、菓子類を冷凍させたものは除く)と原料原産地名表示の適用範囲の詳細については、「調理冷凍食品品質表示実施要領」(およびQ&A)を参照してください。なお、調理冷凍食品における「原材料配合割合」の表示(東京都)については、改正により廃止されました。
例2)「使用上の注意」の表示(大阪市、京都市等)
対象は焼肉のたれ類、つくだ煮及び煮豆、緑茶など多数の品目で、輸入品も対象となります。国の食品表示基準では4品目(ジャム類、農産物缶詰及び農産物瓶詰、畜産物缶詰及び畜産物瓶詰、調理食品缶詰及び調理食品瓶詰)が対象であるため、こちらも追加的な表示基準といえます。なお、京都市の条例では調理冷凍食品に対する「原材料配合割合」は廃止されたものの、「使用上の注意」は残るため注意が必要です。
実務上の注意点
ここまでの注意点をまとめると、国の食品表示基準においても改廃が行われた「調理冷凍食品」については、とりわけ慎重な確認が望まれると思います。「凍結させる直前に加熱されたものであるかどうかの別」の表示方法も改正されていますので、あらためて食品表示基準Q&A(表示例は“(加工-181-2)”)などを確認されておくとよいでしょう。
メールマガジン配信登録
こちらのブログに毎月投稿している食品表示に関するニュースやセミナー情報を、ご登録されたメールアドレス宛に送付させていただきます。
関連サービス
【国産食品(国内流通)】食品表示調査:配合表、製品規格書等をもとに、原材料名や栄養成分等の食品表示案との適合性を検証します。各方面からの原材料詳細や表示内容の確認などの対応業務をサポートします。新商品や改版の確認業務、膨大な規格書情報の確認業務にご利用いただいております。
【輸入食品】原材料調査&食品表示調査:配合表、原材料規格書をもとに、原材料及び添加物の使用基準との適合性を検証します。また配合表、製品規格書等をもとに、原材料名や栄養成分等の食品表示案との適合性を検証します。様々な国から輸入される場合の確認業務効率化などにご利用いただいております。
川合 裕之
■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。
■主な著作物・寄稿ほか
【共著】
- 『基礎からわかる 輸出時の食品表示の実務ガイドブック』(第一法規株式会社, 2026)
- 『新訂2版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック』(第一法規株式会社, 2023)
【寄稿】
- 2025年 4月1日 『Wellness Daily News』(株式会社ウェルネスニュースグループ)「食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?」
- 2024年 第65巻 第4号 『食品衛生学雑誌』(公益社団法人日本食品衛生学会)「海外輸出向け食品における各国基準(添加物、栄養成分表示)の調査と実務上の課題」
- 2021年10月『Wellness Monthly Report』(株式会社ウェルネスニュースグループ)40号「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」
>> 寄稿の詳細はこちら
■最近の講演・セミナー実績
- 2026年3月4日 食品表示基準改正の最新情報等
兵庫県指定観光名産品協会様主催。 - 2026年1月17日 海外向けの食品表示における実務上のポイント
食品技術士センター様主催。 - 2025年12月24日 学習資料(輸出食品の表示作成の基礎)の紹介
一般財団法人食品産業センター様主催。 - 2025年3月13日 輸出食品における各国基準 調査と実務上のポイント最新動向
一般財団法人日本能率協会様主催。 - 2025年1月28日 加工食品の各国の表示作成実務における留意点について
一般財団法人食品産業センター様主催。
>> 講演・セミナーの詳細はこちら
最新記事 by 川合 裕之 (全て見る)
- 食品表示基準の改正と各自治体の条例について - 2026年5月8日
- 食品表示基準が改正されました - 2026年4月3日
- 輸出時の食品表示実務の大切なポイントまとめ - 2026年3月3日





