「魚介類の名称のガイドライン改正と背景」について

By | 2025年8月4日

 2025年6月2日、「令和7年度 第1回魚介類の名称のガイドライン改正案(貝類)検討会」が開催されました。第1回検討会では、ガイドラインの制定経緯と概要や、ガイドライン改正の要望理由等を元に検討が進められました。今回は背景から整理してみたいと思います。

ガイドライン制定の背景

 2000年7⽉のJAS法改正により、⽣鮮⾷品に名称等の表⽰が義務付けられました。しかし⿂介類には、輸⼊の多様化による様々な⿂種の導⼊や、同⼀⿂でも地域や成⻑段階により名称が異なる等の特有の事情が存在していました。そのため、農林水産省に対し消費者や関係業者から、名称に係る問い合わせが急増しました。この事態を受けて、2007年に水産庁において「魚介類の名称のガイドライン」が制定されました。これが「⾷品表⽰基準」の制定(2015年)に伴い、「⾷品表⽰基準Q&A」の別添として位置付けられ、現在に⾄ります。

ガイドライン改正について

 2007年に制定されて以降、内容の⾒直しが⾏われておらず、新たな⿂種の輸⼊・流通の拡⼤、分類学の進展に伴う名称の変更など、⿂介類の名称を巡る状況の変化に対応できていませんでした。そこで、関係国、関係業界から改正に係る具体的な要望があり、検討会を開催することとなりました。 ただし、対象となる⿂介類は、「⿂類」、「甲殻類」、「頭⾜類」、「⾙類」など広い分類群にわたり、専⾨的な知⾒に基づく検証が不可⽋であることから、改正検討作業は各分野ごとに⾏うことを基本とし、以下の通りに改正されてきました。

  • 2020年度(令和2年度) 「⿂類」についてガイドラインを改正
  • 2022年度(令和4年度) 「甲殻類」についてガイドラインを改正
  • 2024年度(令和6年度) 「頭⾜類」についてガイドラインを改正

ガイドラインの改正方針

 「できるだけ一般消費者に分かりやすい名称」であり、「一般的に知られている高級魚介類と誤認することにより、一般消費者が不利益を被るか」といった観点も考慮していくとされています。 以下の図のように一般的名称例の追加等が検討されています。(詳しくは「魚介類の名称のガイドライン(貝類抜粋)改正案」をご参照ください。)

今後の進め方について

 貝類のガイドラインについては、中小事業者への流通実態ヒアリング等の情報収集をし、議論検討していくこととしています。魚介類の名称によっては消費者に誤認を与える可能性がありますので、生鮮食品・加工食品にて魚介類を扱われる方は、魚介類の名称の表示について今後の改正に注目しておかれることをおすすめします。



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奥井 茉菜美

栄養学を専門とし、主に国内と海外から国内に輸入される原材料や添加物の調査業務に従事しています。
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