Author Archives: 川合 裕之

About 川合 裕之

食品表示検査業をしています。国内と海外向けに、食品表示検査と原材料調査サービスを提供している経験をもとに、食品表示実務に関する講演をしています。

■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。

■主な著作物・寄稿ほか
【共著】

【寄稿】
  • 2025年 4月1日 『Wellness Daily News』(株式会社ウェルネスニュースグループ)「食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?」
  • 2024年 第65巻 第4号 『食品衛生学雑誌』(公益社団法人日本食品衛生学会)「海外輸出向け食品における各国基準(添加物、栄養成分表示)の調査と実務上の課題」
  • 2021年10月『Wellness Monthly Report』(株式会社ウェルネスニュースグループ)40号「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」

>> 寄稿の詳細はこちら

■最近の講演・セミナー実績
  • 2026年3月4日 食品表示基準改正の最新情報等
    兵庫県指定観光名産品協会様主催。
  • 2026年1月17日 海外向けの食品表示における実務上のポイント
    食品技術士センター様主催。
  • 2025年12月24日 学習資料(輸出食品の表示作成の基礎)の紹介
    一般財団法人食品産業センター様主催。
  • 2025年3月13日 輸出食品における各国基準 調査と実務上のポイント最新動向
    一般財団法人日本能率協会様主催。
  • 2025年1月28日 加工食品の各国の表示作成実務における留意点について
    一般財団法人食品産業センター様主催。

>> 講演・セミナーの詳細はこちら

新しい食品表示基準でのアレルギー表示

201507

今回のコラムテーマは、「アレルギー表示」です。
食品表示と規格書管理に関わる実務担当者にとって、アレルギー表示は重要管理点の1つかと思います。
その表示方法がやはり新しい食品表示基準でも変更されていますので、そのポイントを整理してみたいと思います。

まず、主な変更点は下記3 点です。
1. 特定加工食品及びその拡大表記の廃止
2. 個別表示を原則とし、一括表示は例外的に可能
3. 一括表示の場合はアレルゲンを全て表示

そして実際の表示例はこのようになります。

【新基準(個別表示)】

原材料名 小麦粉、コーン、マヨネーズ(卵を含む)、マーガリン、砂糖、脱脂粉乳、食塩、パン酵母
添加物 酸化防止剤(V.E)、香料、乳化剤(大豆由来)、イーストフード、V.C

【新基準(一括表示)】

原材料名 小麦粉、コーン、マヨネーズ、マーガリン、砂糖、脱脂粉乳、食塩、パン酵母、(一部に卵・小麦・乳成分を含む)
添加物 酸化防止剤(V.E)、香料、乳化剤、イーストフード、V.C、(一部に大豆を含む)

変更点1 で廃止された例はマヨネーズです。
変更点3 は、一括表示の事例の原材料に小麦粉の表示があるところを、繰り返しの省略ができないために末尾に「小麦を含む」としている点です
(その他、「一部に?」の表示方法や「・」での接続方法など細かい変更もあります)。
また新基準の一括表示の事例では、添加物の事項欄を設けていますが、これを原材料欄にまとめることもできます。

【新基準(一括表示× 添加物事項欄なし)】

原材料名 小麦粉、コーン、マヨネーズ、マーガリン、砂糖、脱脂粉乳、食塩、パン酵母 / 酸化防止剤(V.E)、香料、乳化剤、イーストフード、V.C、(一部に卵・小麦・乳成分・大豆を含む)

これに添加物の事項欄を設けずに個別表示するパターンを加えると、大きく4 通りの表示方法が存在することになります。
こうしてみると3 番目の「一括表示× 添加物事項欄なし」が表示上も管理上もシンプルに見えますが、
ここで変更点2「個別表示を原則とする」に注意が必要です。Q&A には「個別表示により難い場合や個別表示がなじまない場合」には一括表示が可能とされ、いくつか例示がされていますので、確認してみてください。
(例示の一部:「個別表示よりも一括表示の方が文字数を減らせる場合であって、表示面積に限りがあり、一括表示でないと表示が困難な場合」)

新基準と旧基準の混在を防ぐ目的で、これらの表示方法を社内で統一されるケースもあると思います。
ただ、仕入れ商品を扱う場合は表示方法のコントロールは難しいので、まずはこれらの表示方法の組み合わせがあるということを知っておくことも、確認ミスを減らすために有効ではないかと思います。
なお、複数の部材からなる食品(例:別添スープ、具)など、添加物の事項欄を設けたほうがかえって読みやすくなるケースもあるかと思いますので、混在などの確認ミスを減らすことも大切ではありますが、商品特性によってどの表示方法が最も分かりやすいかを考えることが、より大切であるといえるでしょう。 
           

【参考】食品表示基準、Q&A(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/index18.html



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6月より販売が始まった機能性表示食品

tea

機能性表示食品の制度が始まって2ヶ月。ようやく、売場に届出商品が並ぶようになりました。 届出情報も公開されていますが、一般消費者にとっては分かりにくい、などニュースでも何度か目にされているかと思います。

現在の届出情報公開商品数:44 品
うちサプリメント:24 品
うち加工食品:19 品
(うち飲料:19 品)
うち生鮮食品:0 品

(2015年6月25日更新資料より)

今回は、その機能性表示食品を開発し販売する方向けに、簡単に内容をまとめてみたいと思います。

現状、届出情報が公開されている商品点数は44点で、 半数以上がサプリメント形状(錠剤、カプセル、粉末、ドリンク)であり、加工食品に分類されている商品はすべてが飲料です(酢を含む)。 つまりほとんどが特定保健用食品で販売されている商品の形状と似ている、というのが現時点での状況です。

このコラムの読者の多くである、菓子や加工食品を製造、販売、また輸入される方、農水産物や畜産物を加工される方が期待している生鮮食品や、地方名産のお土産品など加工食品などでの機能性表示 食品は、今のところまだありませんが、今後少しずつ増えるのではと思います。

「機能性表示」とは、なんらか体によさそうな表示のことですが、具体的な表現が必要になります。
× 「魚を食べると頭がよくなる」
○ 「 ( 試験の結果、本品は)(魚に含まれる)DHA( を1 日250mg 摂取すること)によって、正常な脳機能の維持に役立ちます」(EUの例)

機能性表示には、試験結果などの科学的根拠が必要です。試験の結果や論文をもとに、具体的な表現ができるということになります。下記は実際の国内の届出事例ですが、それぞれ最終製品での臨床試験によるものと、関与成分の研究レビューを科学的根拠としています。

「本品にはルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3- グルコシド・DHA が含まれるので、手元のピント調節機能を助けると共に、 目の使用による肩・首筋への負担を和らげます。」
「本品にはL?テアニンが含まれています。L?テアニンには夜間の健やかな眠りをサポートすることが報告されています。」

特定保健用食品で表示される機能よりも、幅が広がっていること、より詳細な内容の表示がされていること、などが見て取ることができます。このように、「うちの商品も機能性を表示しよう」と思った際は、「関与成分」「摂取量」「機能」が記載された試験結果などの論文が必要になります。

論文などの科学的根拠を用意できる場合、ここで重要になるのが、「同等性」です。 試験で使用された成分と量など、製品で使用されるものと同じ有効性と安全性をもっているかを確認することです。 量については含有量と製品での分析により確認しやすいのですが、難しいのが「成分」が同一であることを示すことです。 そのため、届出資料にも同等性についての考察が記載されています。公的な規格との一致から、パターン分析の結果による相同率まで、様々な方法によりますが、多いのは下記の視点での考察となります。

・試験で使用された形状(崩壊性など)は同じであるか
・試験で使用された成分と由来が同じであるか
・試験で使用された成分と配合(処方)は同じであるか
・試験で使用された試験食品と製造工程が同じであるか
・製品への配合の用途により試験で使用された成分から変質していないか
・試験で使用された成分と同じ分析方法で定量できるか
・その成分は製品中でも安定して存在するか(経時劣化はないか)

ここまでは、「論文と製品」間の同等性となりますが、今後、生鮮食品や加工食品のうち調理を必要とする商品が届出されると、 今度は「製品と摂取時」間の同等性についても考察が記載されるのではと思います。お客様でされる調理の内、例えば、水洗いの方法や、 茹で汁の扱いなど、成分減少が考えられるケースがあった場合、注意点を一般向けの資料に記載するなどが考えられます。 そのような商品が増えてきてからが、この機能性表示制度がもたらす新しい側面が始まるのではないかと思います。

【参考】消費者庁 機能性表示食品に関する情報
http://www.caa.go.jp/foods/index23.html

 



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新しい食品表示基準での無添加強調表示

2015年4月1日より新しい食品表示基準が施行されました。
「食品表示基準の概要」では、大きく10項目の変更点が記載されていますが、そのなかでまったく新しい規則が新設されたものがあります。それが、「無添加強調表示」です。

「食品への糖類無添加に関する強調表示及び食品へのナトリウム塩無添加に関する強調表示(食塩無添加表示を含む)は、それぞれ、一定の条件が満たされた場合にのみ行うことができる。」(『食品表示基準の概要』より)

新基準では、以下の条件が新しく規定されます。

「糖類無添加」「砂糖不使用」等


1 いかなる糖類も添加されていないこと。
2 糖類(添加されたものに限る)に代わる原材料(複合原材料を含む)又は添加物を使用していないこと。
例)ジャム、ゼリー、甘味の付いたチョコレート、甘味の付いた果実片、非還元濃縮果汁、乾燥果実ペースト等
3 酵素分解その他何らかの方法により、当該食品の糖類含有量が原材料及び添加物に含まれていた量を超えていないこと。
4 当該食品の百グラム若しくは百ミリリットル又は一食分、一包装その他の一単位当たりの糖類の含有量を表示していること。

「食塩無添加」等


1 いかなるナトリウム塩も添加されていないこと(ただし、食塩以外のナトリウム塩を技術的目的で添加する場合であって、
当該食品に含まれるナトリウムの量が別表第十三の第三欄に定める基準値以下であるときは、この限りでない)。
2 ナトリウム塩(添加されたものに限る)に代わる原材料(複合原材料を含む)又は添加物を使用していないこと。
例)ウスターソース、ピクルス、ペパローニ、しょう油、塩蔵魚、フィッシュソース等


1つの食品での新旧両方の基準に基づく表示の混在は認められていません。
つまり、これまでの旧基準のもとでは「糖類不使用」と表示していた商品について、原材料名などを新基準に合わせて表示を変更する場合、「糖類不使用」と表示できなくなることもあると思われます。

その他、「砂糖不使用」などの表示の際には「糖類」の表示が必要になりますが、任意で「ショ糖」を記載する場合は、旧基準では枠内だったところを新基準では『枠外』に記載することに変更されていますので、あわせて注意が必要です。なお、「着色料無添加」「遺伝子組換え不使用」などについての条件は旧基準のものと変わりません。

添加物については、同種製品での使用状況の考慮やキャリーオーバーなどへの注意が、遺伝子組換えについては、全ての原材料について分別生産流通管理が行われているなどへの注意がそれぞれ必要です。

新基準への移行作業は、短期間に膨大な情報を扱うことになります。アレルギーなど原材料の確認、無添加・不使用などパッケージ表示との整合性など、規格書管理を中心に情報管理体制の整備をすることが大切であると言えるでしょう。

            

【参考】食品表示基準、Q&A(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/index18.html



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新しい食品表示基準への対応と実務上のポイント

新基準と旧基準の混在に注意


先月に引き続き、4月1日に始まった新しい食品表示基準についてです。多くの食品表示実務担当者にとって、新基準への対応にあたりポイントとなるのは「1つの食品の表示の中での食品表示基準と旧基準の両者に基づいた表示の混在」が認められない点(「食品表示基準について(P.35)」)に対する確認作業ではないかと思います。(ただし製造所固有記号の規則についてのみ、1年間は旧基準での表示の混在が許容されます)

これは、例えば栄養成分表示は新基準、アレルギーは旧基準とした場合、消費者は「アレルギーの一括表示欄は省略せず全て記載してある」と勘違いする可能性があるため、とされています(新基準ではアレルギーの一括表示の際は原材料として記載されているアレルゲンを省略できません)。そこでまず、商品を手にしてすぐに分かる変更点について再確認してみましょう。

新基準に基づく表示の例

名称   ○○○
原材料名 ○○○、○○○(一部に○○を含む)
添加物  ○○○、○○○(一部に○○・○○を含む
内容量  ○○○
賞味期限 ○○○
保存方法 ○○○
製造者  ○○○
栄養成分表示
(○○g あたり)
熱量    ○○kcal
たんぱく質 ○○g
脂質    ○○g
炭水化物  ○○g
食塩相当量 ○○g

表示方法の変更点について、外側からぱっと分かるのは大きく3点です。

・「添加物」の項目がある(もしくは原材料欄の中に「/」等で区分されている)
・栄養成分表示の中に「食塩相当量」の項目がある
・アレルギーを一括表示する場合、(「原材料の一部に〜」ではなく)「一部に〜」から始まっている

変更点がこれだけであれば楽なのですが、実際には「外側からだけでは、混在しているかどうかが分かりにくいもの」があります。
その代表的な例が、強調表示と言えますが、こちらも新基準に伴い変更があります。

・高い、低い、含む、含まないなど「栄養強調表示」の基準値の変更
・低減、強化など「相対表示」の 条件と追加(相対差)と変更(絶対差)
・糖類やナトリウム塩の「無添加」の表示について新しく条件を規定

例えば添加物やアレルギーについては新基準に基づく表示様式でありながら、強調表示だけは旧基準に基づいている場合も考えられます。これらの強調表示の整合性を外側から確認するには、表示値と基準値を比較する必要があるため少々手間がかかります。

栄養素等表示基準値そのものが変更されていることから多くの商品に影響があると考えられるため、規格書情報との整合性確認をしやすい環境づくりが重要になるでしょう。どの商品でどのような表示がされているのかの管理とともに、その表示方法が新旧どちらであるかも管理しておくことが、お客様からの問い合わせに素早く正確に応えることができる体制づくりに求められるのではと思います。

          

【参考】食品表示基準について(消費者庁)



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セミナーのお知らせ


※ 以下はセミナーのご紹介です。

ラベルバンクでは、2015年4月1日に施行された新しい食品表示基準(以下:新基準)についての、基本的なポイントなどをまとめた講演もしております。

主な変更点は下記10点ですが、とりわけ「添加物」「アレルギー」「栄養成分」の3点の表示方法について、食品表示基準、同Q&A、同施行通知のなかから重要と思われる変更点をお伝えします。

食品表示担当者の実務フローで最も大きな影響があると思われる、「新基準にもとづく表示方法と旧基準にもとづく表示方法の混在の禁止」。そのポイントを踏まえたうえで、各表示方法の変更点から実際にどのような確認作業が必要となるのかをお伝えします。

主な変更点:
・加工食品と生鮮食品の区分の変更
・製造所固有記号の使用ルールの変更(※業務用食品を除く)
・アレルギー表示のルールの変更
・栄養成分表示の義務化(※業務用食品、一部小規模事業者等を除く)
・栄養強調表示のルールの変更
・栄養機能食品のルールの変更
・原材料名表示等のルールの変更
・添加物(として販売されるもの)の表示ルールの変更
・通知等に規定されている表示ルールの一部を基準に規定
・表示レイアウトの変更(添加物の表示区分)

また、食品表示実務担当者よりも、商品開発や事業計画の担当者に影響ある変更点として、製造所固有記号の運用の変更点、機能性表示食品制度についてもお伝えいたします。

過去のセミナーについては、こちらからもご確認ください。

機能性表示食品の制度が始まりました。

2015年4月1日に食品表示基準が施行され、同時に機能性表示食品の届出が可能になりました。届出番号を記載のうえ、「本品には○○の成分が含まれるので、○○の機能があります」などの表示ができるようになります。制度を利用される方は、販売日の60日前までに届出する必要があります。届出する主な資料は安全性、機能性に関する科学的根拠資料で、その一部は消費者庁のウェブサイトで消費者向けに公開される予定です。

詳しくは、3月31日に公表された「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」にまとめられていますので、一度ご確認ください。

制度のポイントと社内体制づくり


研究開発から商品企画、品質保証までの業務フローに、臨床試験による安全性と機能性の確認作業が組み込まれている場合は、あとは健康被害の情報収集体制などの届出資料を作成すればスムーズに制度を利用できます。そうでない場合は、安全性であれば食経験評価、機能性であればシステマティックレビューなどの追加作業の想定が必要になるほか、機能性関与成分の同等性(定性、定量)の考察など基本的な社内体制づくりが求められます。

これは例えば、調査や試験で得た成分の情報と、自社商品に含まれる成分とが、同じ安全性と機能性をもっていることを確認する体制のことです。各種の試験や調査の外部委託も可能なのですが、最終的に機能性表示に責任をもつのは届出事業者ですので、この社内体制づくりがまず大きなポイントになるのではないかと思います。

試験、調査の注意点


今から新しく試験や調査に取り組む際の注意点についてですが、ここでは大きく2つ、「商品の形状」と「同等性の確認」について取り上げてみます。

まず多くの場合は、費用のかかる臨床試験よりもシステマティックレビュー(レビューワーの要件を満たせば社内で)の実施を検討されると思います。加工食品、生鮮食品の場合は観察研究の論文も対象にできますので疾病に罹患した被験者が含まれていても対象にできるのですが、サプリメント形状の商品の場合だと「健康な人での臨床試験とその論文」を対象とする必要があります(例外として「特定保健用食品の試験方法」の範囲内であれば軽症者が含まれたデータでも使用できます)。

このように商品の形状によって求められる科学的根拠に違いがある点が、この制度のポイントではと思います。

また販売したい商品に含まれる機能性関与成分の性質と、同等である成分を試験で使用した論文をみつける必要がありますので、機能性表示したい成分によっては使用できる論文自体が少なくなる可能性もあることも注意点といえるでしょう。

一般消費者への分かりやすさと課題


臨床試験の論文やシステマティックレビューを資料としてまとめることのほかに、「一般消費者向けの抄録」を作成して届出することが求められます。

専門用語を誤解の生じない範囲内でなるべく平易な言葉に置き換えて1,000文字以内でまとめるということになっていますが、この抄録と論文の内容が、そして表示の内容が適切に対応しているかを確認する管理体制も大切になるかと思います。

ここまで、機能性表示を目指す事業者向けに簡単に制度の概要と実務上のポイントを書いてみましたが、今回の制度の大きな特徴である「届出資料の開示」が、どこまで分かりやすくなるのかも重要な点だと思います。

開示された情報を消費者が読み込むには専門性が高い内容が多いのですが、そのハードルを下げる役割の1つが「抄録」といえます。誤認を与えない範囲内でどこまで分かりやすく科学的根拠を表現していくのか、どこまで分かりやすく機能性の表示をしていくのか、新しい課題について考えながら挑戦していくことが求められるかと思います。

【参考】機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(消費者庁)
 
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150330_guideline.pdf



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食品表示基準が施行されました!

2015年3月20日に食品表示基準が公布され、2015年4月1日施行されました(ただし製造所固有記号の規定については1年後予定)。

加工食品と添加物は2020年3月31日まで、生鮮食品は2016年9月30日までが経過措置期間となります。
下記の主な変更点のほかに、新しく「機能性表示食品」についても規定されています。

主な変更点のまとめ


1.加工食品と生鮮食品の区分の変更
JAS法の考え方に基づく区分に整理。
簡単な加工を施したもの(例:ドライマンゴー)は「加工食品」に。

2.製造所固有記号の使用ルールの変更(※業務用食品を除く)
原則として同一製品を2以上の工場で製造する場合に限り使用可能に。
使用の場合は連絡先等を表示。

3.アレルギー表示のルールの変更
特定加工食品(「卵を含む」を省略できるマヨネーズ等)とその拡大表記を廃止。
また個別表示を原則とし、例外的に一括表示をする場合には一括表示欄に全て表示が必要に。

4.栄養成分表示の義務化(※業務用食品、一部小規模事業者等を除く)
原則としてすべての消費者向けの加工食品、添加物に栄養成分表示を義務化。
ナトリウムは食塩相当量で表示。

5.栄養強調表示のルールの変更
低減または強化された旨を表示する場合の、要件と計算方法が変更に。
新たに無添加強調表示の規定を追加。

6.栄養機能食品のルールの変更
対象食品の範囲を鶏卵以外の生鮮食品まで拡大。
表示できる成分に「n-3系脂肪酸」「ビタミンK」「カリウム」を追加。
また栄養素等表示基準値の変更に伴い、対象年齢及び基準熱量に関する文言の表示が新しく必要に。

7.原材料名表示等のルールの変更
パン類等の原材料と添加物表示順序を他の加工食品の方法に統一。
複合原材料の構成原材料の分割表示が可能に。

8.添加物(として販売されるもの)の表示ルールの変更
業務用は「表示責任者の氏名又は名称及び住所」を、一般消費者向けはこれに加え「内容量」を新たに表示。

9.通知等に規定されている表示ルールの一部を基準に規定
フグ及びボツリヌス食中毒対策の表示ルールを規定。
また栄養素表示基準値等の表示ルールを規定。

10.表示レイアウトの変更
小包装食品に対する省略不可項目の拡大と、製造者の表示義務対象の新規規定。
原材料と添加物は区分を明確にして表示。

最新の追加情報と実務上の注意点


2015年3月31日、「食品表示基準について」「食品表示基準Q&A」「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」が公表されました。

今後は、1つの食品で新基準による表示方法と旧基準による表示方法が(製造所固有記号の規定を除き)混在することのないよう、商品別の表示改版作業について具体的な計画を立てていく段階に入ります。

改版作業時の注意点ですが、上記のようなルールの変更を把握しておくこと以上に、短期間に多くの商品をまとめて改版しなければならない点への理解がポイントと思われます。原材料規格書から配合表、食品表示の作成と最終確認までを人が行いますので、作業量が多くなればそのぶんミスの確率も高くなる可能性があります。

また現在販売している商品の表示と規格書の情報に違いがあるなど、新しいミスに気付く可能性もあると思われます。ルール変更の節目を、情報管理体制の見直しの機会と捉えて、計画的に改版作業を進めていくことが大切だと感じています。

            

【参考】食品表示基準(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/index18.html
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150320_kijyun.pdf



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乳等表示基準府令の改正について

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ナチュラルチーズ、発酵乳、乳酸菌飲料の表示基準が一部変わります。


今回のコラムは、「乳製品等を主要原料とする食品」についてです。タイトルの「乳等表示基準府令」とは、「乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品の表示の基準に関する内閣府令」という名前を縮めたものです。この乳等表示基準府令について、平成27年1月9日付けで改正の通知がありましたので、該当する製品を扱うお仕事をされている方は一度確認してみてください。

改正の背景


今回の表示基準一部改正は、「乳等省令」において、乳製品の成分規格に関する改正が行われているためです。乳等省令とは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」という名前を縮めたものです。成分規格についての主な変更点は3つです。

1. ナチュラルチーズ※の成分規格にリステリア・モノサイトゲネスの汚染菌数の基準値を設定
(※ソフト及びセミハードのものに限る。以下同様。)
2. 発酵乳の成分規格の改正
3. 発酵乳及び乳酸菌飲料の乳酸菌数の測定法の改正

対象となる乳製品と表示内容


対象となる乳製品は、下記の4点です。

・容器包装に入れた後に加熱殺菌したナチュラルチーズ
・飲食に供する際に加熱するナチュラルチーズ
・発酵後に殺菌した発酵乳
・製造時の発酵温度が摂氏25度前後の発酵乳及び乳酸菌飲料

そして、それぞれ必要になる表示は、下記のとおりです。

・容器包装に入れた後に加熱殺菌したナチュラルチーズ
 →「包装後加熱」、「包装後加熱殺菌」、「容器包装後加熱殺菌済み」等
・飲食に供する際に加熱するナチュラルチーズ
 →「種類別○○」の次に「(要加熱)」、「(加熱が必要)」、「(加熱してお召し上がりください)」等
・発酵後に殺菌した発酵乳→「殺菌済み発酵乳」等
・製造時の発酵温度が摂氏25 度前後の発酵乳及び乳酸菌飲料→「低温発酵」等

この改正を受けて、1月20日に消費者庁より「発酵乳等の表示基準の一部改正に関するQ&A」が発表されています。対象となる食品(乳製品)について、またリステリアに関する消費者への注意喚起について記載されています。安全性に関する情報もありますので、WEBサイトでの事前情報発信など検討されることも大切ではと思います。

参照資料:
食品衛生法第19条第1項の規定に基づく乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品の表示の基準に関する
内閣府令の一部を改正する内閣府令について(平成27年1月9日消食表第332号)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1403.pdf
新旧対照表
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1404.pdf
発酵乳等の表示基準の一部改正に関するQ&Aについて(平成27年1月20日消食表第1号)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1407.pdf



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機能性表示食品のガイドライン概要について

機能性表示食品とは、生鮮食品から加工食品、サプリメントなど食品全般に、科学的根拠を届出すれば「機能性」を表示できるという新しい制度のものです。

昨年夏に検討会報告書が公表されてからの流れとしては、12月に検討会で条件付きの答申が出され、今年1月にワーキンググループでガイドライン概要が公表され、今はガイドライン全容の公表を待っている、といった状況です。(また関連するものとして昨年11月頃に「特定保健用食品申請に係る申請書作成上の留意事項」の文書についての改定が発表されました。臨床試験の方法の考え方など再確認できます。)

今回の「概要」版では、食経験について「当該食品と類似する食品」での評価も認める記載、また臨床試験の参加者について「疾病に罹患していない者」の考え方の記載などもありましたが、より分かりやすくなったものとして「可能な機能性表示の範囲」が改めてまとめてあることが特徴かと思います。

1. 容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ旨
2. 身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ旨
3. 身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨

 ※ 身体の特定の部位に言及した表現は可能
 ※ 特定保健用食品で認められている範囲内の表現は可能(疾病リスク低減表示を除く)

概要では上記の内容までですが、ガイドライン全容がでてくるときには、もう少し具体的な例の記載があるかもしれません。

「特定部位」の表現、「特定保健用食品で認められている」表現ができるといった点では、規制緩和として大きな変化であることが改めて認識できます。反対に認められない表現についても記載がありましたが、ここは従来どおりの理解(疾病の治療・予防や意図的な健康の増強などの表現の禁止)と同じで大丈夫です。

また答申書の付帯条件にも「科学的根拠の無い製品群が市場から淘汰されることを強く期待」「科学的根拠の無いイメージ広告等に対する行政処分をより強化すべき」といった記載がありますので、機能性表示食品の制度を利用しない場合でも、科学的根拠を整備したうえで表示と広告を自主点検していく流れになるのではと思います。

科学的根拠が必要とはいえ、自社でもつとなればそれなりに費用と時間がかかるものですが、これを支援する動きもあります。今年1月に農水省より、農産物のシステマティックレビューを実施し、生産現場が活用できるようするという報道発表がありました。

対象は米(γ-アミノ酪酸)、温州ミカン(β-クリプトキサンチン)、緑茶(メチル化カテキン)、鶏肉(イミダゾールジペプチド)の4品目4成分です。生鮮食品、加工食品、サプリメントと扱う商品形態の違いにもよりますが、こうした施策もうまく活用できるようになっていくでしょう。

また制度の特徴として、届出された科学的根拠が情報公開されることが大きなポイントですので、メディアも取材と検証がしやすくなる分、消費者に対する分かりやすい情報発信が進むのではと思います。購入側の立場で考えると、売場にトクホ商品が増えるような印象になるのかもしれないですね。今後も話題になりそうな制度ですので、また機会があればまとめてみたいと思います。

参照資料:
12月9日 消費者委員会答申書
機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg3/kenko/150114/item2.pdf



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食品表示制度の動向と主な変更点

昨年、2014年は食品表示の制度に関する動きが多い年でした。
パブリックコメントなどを受けて修正もいくつかありましたので、情報の整理を兼ねてまとめてみたいと思います。

現状からの主な変更点


食品表示基準の新設に伴い、現状からの主な変更点は下部のとおりです。

【食品表示基準(案)】

1)基本部分について

<全般>
・加工食品(製造、加工)、生鮮食品(調整、選別)の定義の明確化
・原材料名と添加物の事項名を別に表示(または原材料名と添加物を明確に区分)
・製造所固有記号は、原則同一製品を2以上の製造所で製造している場合に使用可
・表示可能面積30cm2以下の省略不可項目追加 (L-フェニルアラニン化合物等)

<アレルギー>
・特定加工食品(例:マヨネーズ)及びその拡大表記(例:からしマヨネーズ)の廃止
・代替表記の拡大表記のうち、卵の「卵白」、「卵黄」の廃止

<栄養表示>
・全ての食品関連事業者に表示義務を適用(業務用、小規模事業者を除く)
・義務、推奨、任意の3区分となり、飽和脂肪酸と食物繊維が推奨に該当
・ナトリウムの量は食塩相当量で表示、ただし併記可(ナトリウム塩添加食品を除く)
・相対表示は、原則としてコーデックスガイドライン(CAC/GL 23-1997)に準じる
・「無添加強調表示」に係る規定の追加

<その他>
・「ステアリドン酸産生(大豆)」に関する表示基準の追加(遺伝子組み換え食品)
・チーズ等の加熱、乳酸菌飲料等の発酵温度に関する表示基準の追加(乳等基準府令)

2)栄養素等表示基準値と栄養機能食品
・栄養素等表示基準値の見直し
・栄養機能食品の対象成分に「n-3系脂肪酸」「ビタミンK」「カリウム」追加
・鶏卵以外の生鮮食品についても新たに栄養機能食品の基準の適用対象へ

3)機能性表示
・新たに「機能性表示食品」を食品表示基準内に規定
・安全性や有効性の科学的根拠資料を事前届出、販売前に消費者庁が公開
・必要な科学的根拠、可能な機能性表示については今後ガイドラインで 通知の見込み

食品表示業務への影響


経過措置期間にもパブリックコメント後に修正があり、加工食品及び添加物は5年、生鮮食品は1年6ヶ月へと延長されました。食品表示作成などの業務をされる方は、その間に準備と対応をすることになりますが、実務上で想定される影響についてまとめてみます。

1)原材料規格書収集段階
まずはアレルギーに関する変更点に注意が必要になると思われます。例えば規格書の原材料欄に「マヨネーズ」と記載されているだけで、アレルギー物質欄に「卵」の記載がなければ、思わぬ食品表示ミスにつながる可能性もあるでしょう。また原材料として使用する加工食品の裏面表示を参考にしている場合も、特定加工食品が含まれる場合は注意が必要です。 製造所固有記号の制度変更に伴い、製造所自体の変更と原材料内容の変更が増えると予測できますので、改版管理などこの段階での業務フロー見直しが重要だと思います。

2)表示作成段階
同じくアレルギーの表示方法の変更に伴い、原材料表示の場所の確保を検討する必要があると想定できます。また原材料と添加物の区分を明確に表示するといったルールの追加により、ほとんどの食品で改版が必要になると考えられます。

3)規格書管理段階
管理項目の追加を検討する必要がある変更点もあります。食塩相当量の表示、栄養成分の推奨表示の追加(飽和脂肪酸、食物繊維)などが該当するでしょう。また栄養素等表示基準値の見直し内容によっては、栄養成分の再計算が必要になる可能性もあると思われます。

4)継続的な品質保証
栄養成分表示の設定根拠となった資料の保管に加え、機能性表示もしくはそれに準ずる表示(例:美容・健康に良い等)をする際には、科学的根拠となる資料の保管も重要になるでしょう。また不当表示にならないよう、科学的根拠となる資料の判断や定期的な検査などの品質保証業務も、商品開発担当者と業務フローを決めておく必要があると思われます。

今年は、こうした新しい制度について詳細なガイドラインやQ&Aも発表されていくと想定されます。現在の業務フローを整理しながら、どのように対応していくべきかを検討していくことが大切になるでしょう。いろいろややこしい話が多いですが、お客様により安心してもらえる食品表示のための1つの機会になればと思います。

参照資料:
消費者委員会 食品表示部会(10月31日)



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海外への輸出と食品表示

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2014年12月13日より、EUにて新しく改正された食品表示の規則(EU No.1169/2011)が適用されます。今年に入ってから主にEUを拠点とするグローバル商品の容器包装表示の変更作業が増え始め、秋までには流通在庫を切り替えるという会社が多くありました。

また日本から海外に輸出する食品についても、その表示方法の変更に伴い、製品規格書など情報管理の見直しをされた会社も多かったことと思います。そこで今月のコラムでは、表示制度の異なる海外に輸出する際の食品表示について、注意点などを簡単にまとめてみました。

よくある表示ミスの傾向を知る


日本国内に輸入される食品にも表示違反があるように、日本から海外に輸出される食品にも、現地で表示違反とされることがあります。表示違反の事例はインターネットで検索すれば見つけることができますが、ここでまず、どんな表示にミスが生まれやすいのかついて知っておくと防止策を検討しやすくなると思います。

商品が国内に入るときに違反になるものと、国内に入って流通してから違反になるものとありますが、多くは「表示にない添加物(使用基準を満たしてない)の検出」ではと思います。ついで「表示にないアレルギー物質」「表示方法の不備」など、その内容を分類することができます。こうしたミスの多くの原因は、制度に関する確認不足もあると思いますが、それ以上に資材管理不十分などによるコンタミネーション(混入)が想定され、背景として「各国によって表示制度や使用基準が異なること」があるかと思います。米国FDAのサイトでは輸出元の国別に違反事例を知ることができますので、参考になるでしょう。

日本と海外の制度の違いを知る


海外の表示制度や使用基準について詳細を確認する方法についてですが、それにはまず日本の食品表示制度と、新しい食品表示基準の設置に伴って生じるいくつかの変更点(アレルギー表示方法の変更、栄養成分の表示方法の変更等)について知ることが大切だと思います。そのうえで海外の表示制度について知ることで、その違いをより比較しやすくなるでしょう。

現在の輸出先国の制度をいきなり知るのもよいですが、その前にお薦めしたいのが、冒頭に触れたEUの新しい食品表示制度(EU No.1169/2011)とその変更点について知ることです。やはり最近改正された規則であることと、関わる対象国の多さが第一の理由です。日本とEUの制度を比較してその違いを把握し、そのうえで他の輸出対象国の制度について確認することができれば、情報管理のうえで様々なケースを想定できるようになり、食品表示のミスを防ぐことに役立つのではと思います。

表示方法の違い、表示項目の違い


そのEUの制度を例に、具体的にどのような違いがあるのかについてあげてみます。

まずアレルギーの表示方法についてですが、EUでは原材料の最後にまとめて表示する方法(一括表示)は認められていません(日本では認められています)。アレルギー物質は各原材料名の箇所に個別に記載することになるのですが、その際に太字や斜体、下線など強調した表示方法が必要になります(日本では認められていません)。また添加物の扱いも異なるため、香料や酵素の表示方法も異なります。さらに実務上で慎重な対応を求められるのが、表示項目自体の違いです。これらは、商品規格書の項目の違いから確認することができます。

例えばアレルギー表示の場合、日本では小麦は表示対象ですが、大麦やライ麦は表示対象ではありません。ですがEUではグルテンを含めばこれらも表示対象になります。その他マスタードや貝類など、日本国内で流通する規格書にない項目のものが該当します。このように、輸出時にはトレーサビリティの情報管理対象に追加する必要があるものがある、という点に注意が必要です。EUから日本への輸入時に、規格書のコンタミネーションの欄に豚肉やりんごの項目自体がないなどの理由でヒアリングが必要になりますが、輸出時にはその反対のことが起こりうるということです。

事前の確認作業時間を十分に確保する


表示方法や表示項目の違いにより、その確認作業に時間がかかるものもある、という点にも留意しておくことは大切です。例えば栄養成分表示のうち糖類(Sugars)など、日本では表示義務ではないことから、表示値をすぐに設定すること自体が難しいものもあります。こうした点を確認するには、まず対象国内で流通する商品の規格書をもらうことが手早いでしょう。そこから情報管理対象の違い(と制度の違い)を想定できますので、必要な作業とその準備時間についても検討しやすくなるかと思います。

最後に、十分な準備と十分な確認により表示のミスを少しでも減らすことも大切ですが、調理方法やお召し上がり方の表示など、なるべく現地の方にも分かりやすい表示にすることに時間をかけることも大切です。海外への対応作業は大変ですが、互いの食文化を理解できる機会になるなど、仕事の楽しみにできればと思います。

参照資料:食品安全関係情報詳細(食品安全委員会)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03491280305



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