ずっと以前からもそうだったのですが、今回の一元化(食品表示基準)による見直しや、機能性表示新制度の案をみていると、ますます表面化してきたと実感できるトレンドが浮かび上がってきたように思えます。今月はこちらの内容をコラムにしてみたいと思います。
製造所固有記号と機能性表示の根拠情報届出
食品表示基準案に記載された「製造所固有記号制度の見直し」には、いくつか今後のトレンドを考えさせられる表現が盛り込まれています。「消費者からの応答に対応する義務を課す」「消費者庁に新固有記号データーベースを構築し、消費者からの検索が可能となる一般開放」などがそうです。
同様に機能性表示新制度の最終案にも、このような表現があります。「安全性や有効性等の根拠情報を含めた製品情報について、消費者庁に販売前に届出」「届出を受理した際は、消費者庁において届出に係る情報を原則として販売前に公開」という、これらのくだりです。
お伝えしたいのは、いずれの表現も「情報公開」をはじめとする透明性にかかるキーワードに触れられている点です。
これらはパブリックコメントの結果を受けた今後はどのようになるか未定ではありますが、こうした最終案が消費者庁より示されたということは事実ですので、流れを理解するうえでは押さえておく必要があるかと思います。
情報公開のタイミング
情報公開はこれまでも求められてきたことであり、多くの企業はウェブサイトやお客様相談室を通じて、製品に関する情報を公開しています。
公開のタイミングにも大きく2種類あり、事前のものと事後のものがあります。
事前のものの例はウェブサイトでの原料原産地の公開や、栄養成分、アレルギー情報などの公開が該当します。
事後のものとしては、事故対応のときの製造ロット情報の公開などが該当します。
事前の公開については、都度更新により情報を最新に保つなど、「実際のものとの整合性を維持する」など継続的な保守作業が求められます。事後の公開については、情報と実際との整合性もさることながらその対応のスピードが問われる点も注意しておくべきポイントであると実感します。
表示値の根拠資料保管と実証性
間違った情報を公開するわけにはいかないため、必ずセットで考えなければいけないのが「その情報が正しいと実証できる根拠資料」など情報公開の元となる情報管理体制を整備することです。例えば2013年9月27日には、栄養表示基準に「表示された値の設定の根拠資料を保管すること」と追記されています。これまで分析による許容差の範囲内であることが要件でしたが、これを緩和し、計算など合理的な方法により得られた数値であれば表示できるようになりました。
表示の自由度も広がったのですが、それには根拠を持つことが必要であるといったことは、今回の機能性表示新制度でも同じことが言えるでしょう。
これまでできなかった特定部位まで含む機能性に関する表示ができるようになる代わりに、これを実証できる根拠資料をもっておくことが前提となるということです。機能性表示については、その根拠資料をさらに公開することとしている点も、今回のコラムのテーマでお伝えしたい事実です。
より大切になる情報管理
これまでより一層、考えなければならないキーワードとして「情報公開」と「根拠管理」のセットについてお伝えしてきました。つまりこれをつなぐ「情報の管理と運用の体制」が大切です。業務フローのなかで適切に運用されていなければ、せっかく公開した情報も保管した根拠情報も、すばやく正確に活かすことが難しくなってしまいます。個々の担当者のスキルアップも必要ですが、組織としての運用も大きなポイントになることと思います。
このごろの企業活動のなかでは、個人情報をはじめ管理しなければならない情報そのものが増えてきている傾向ですが、その管理の多くは社会から求められていることに応えているものでもあると思います。食品表示に関する情報も、そのなかのひとつです。これらの社会の変化に適切に対応することで、お客様から支持を得られる商品づくりのきっかけにできるよう、考えていくことが大切だと思います。
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