
2026年7月1日より、米国カリフォルニア州において新たな期限表示制度が始まります。これまで「Sell by」などの多様な表示も認められてきたところ、食品廃棄問題を背景に、「BEST if Used By」、「Use By」等の標準化された表示が義務付けられます。この機会に、各国および地域における期限表示制度の違いなどを整理してみたいと思います。
期限表示とは「賞味期限」や「消費期限」などの用語とともに、年月日などの日付により表示されるものを指します。食品の輸出入時における確認事項としては、主に以下の点に注意する必要があるといえます。
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例えば日本では、「賞味期限は年月日の順で表示する(3ヶ月を超える場合は年月の順で表示できる)」「品質が急速に劣化しやすい食品は消費期限を年月日で表示する」とされています。(例:「賞味期限:2026.6.30」)
米国では乳児用調製粉乳を除き、食品の期限表示に関する連邦規制はありません※。ただしカリフォルニア州では義務化が開始され、品質期限(Quality Dates)の場合は「BEST if Used by」または「BEST if Used or Frozen by」、安全期限(Safety Dates)の場合は「USE by」または「USE by or Freeze by」により表示します。詳細は同州のWEBサイトを参照してください。表示順の明示はありませんが、一般的に「月日年」で表示します。(例:「BEST If Used By:MM/DD/YYYY」)
(※現在“Food Date Labeling Act(食品期限表示法)”の審議中)
EUでは賞味期限(minimum durability date)の場合は「Best before …」「Best before end …」を、消費期限(‘use by’ date)の場合は「Use by …」を各加盟国の言語により表示します。表示順 は、「日 月 年」で す。(例:「À consommer de préférence avant le : DD/MM/YYYY」)
表示順が「年月日」である国や地域としては、日本のほかに台湾、韓国、中国とカナダをあげることができます。例えば台湾では「有效日期(消費期限)」(賞味期限ではない)の表示事項と表示の位置を「年月日」とあわせて表示します(例:「有效日期:見包裝(西元YYYY/MM/DD)」)。そして韓国では表示事項(「消費期限」、「消費期限又は品質保持期限」など)が食品別に定められていること(例:チョコレート菓子の場合は「消費期限」)、中国では「製造日および賞味期限」(「製造日」も必要)とされていることに注意が必要です。
ここまで、主に表示事項と表示方法の違いをいくつかまとめてみましたが、日付については表示案作成段階において空欄とされることが多く、とりわけ「表示順」(月日年と年月日)の違いに注意が必要といえます。見落としを防ぐためにも、表示案やデザインの段階で「DD/MM/YYYY」など予め入れておくと気づきやすくなると思います。
期限表示については食品廃棄問題の背景を受け、近年で各国や地域でいくつか改正の提案がされており、例えば“use by” や“best before”の表示方法について消費者が誤解をすることのないよう、用語、形式、視覚的表現の点での改善が検討されています。日本においても、2025年3月に「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が見直しされたばかりですので、今後もこうした動向にも注目しておかれるとよいと思います。
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川合 裕之
■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。
■主な著作物・寄稿ほか
【共著】
- 『基礎からわかる 輸出時の食品表示の実務ガイドブック』(第一法規株式会社, 2026)
- 『新訂2版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック』(第一法規株式会社, 2023)
【寄稿】
- 2025年 4月1日 『Wellness Daily News』(株式会社ウェルネスニュースグループ)「食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?」
- 2024年 第65巻 第4号 『食品衛生学雑誌』(公益社団法人日本食品衛生学会)「海外輸出向け食品における各国基準(添加物、栄養成分表示)の調査と実務上の課題」
- 2021年10月『Wellness Monthly Report』(株式会社ウェルネスニュースグループ)40号「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」
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