20歳以上を対象とした飲料の表示について

By | 2022年2月4日
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 スーパー等のお酒売場では日々、いろいろな商品を目にすると思います。酒類にあたるもの、お酒のようなテイストのノンアルコールのもの、酒類に該当はしないがアルコール分を含むものと、お酒を飲む機会においての選択肢が広がったように感じます。今回はお酒売場で目にするそれぞれの商品について、アルコール分の視点からそれぞれの定義やどのような表示が必要となるか等について見ていきたいと思います。

酒類について


 酒税法では、酒類は下記の定義となっています。

第二条 この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。

 こちらから、酒類とはアルコール分が1度以上の飲料とわかります。酒類は、清酒、果実酒、ビール等、品目ごとに定義があり、また品目ごとに必要となる表示事項も異なります。例えば、食品表示基準においては、酒類については原材料名の表示は要しないとされていますが、ビールでは公正競争規約において、清酒では清酒の製法品質表示基準において原材料名の表示の基準が定められています。また日本洋酒酒造組合にて、低アルコールリキュールの原材料表示に関する自主基準が制定されており、『この基準で「低アルコールリキュール」とは、酒税法第3条第21号に規定するリキュールのうちアルコール分10度未満のものをいう。』とされており、品目以外にアルコール分によっても確認が必要となる基準が異なってきます。

 その一方で、酒類における共通の義務表示もあり、その1つとして20歳未満の者の飲酒防止に関する表示が挙げられます。「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」により、「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。」「お酒は20歳になってから。」等の表示が必要となりますが、これまで「未成年者の飲酒は法律で禁止されています。」との表示を見かけられたこともあるかと思われます。
 こちらの「未成年者」との表示が可能なのは今年の3月末までとなっており、4月1日以降は「20歳未満の者」との表示が必要となります。
「未成年者の飲酒防止に関する表示基準を定める件の一部を改正する件」に記載の内容が、比較としてわかりやすいと思いますので下記に一部を抜粋いたします。こちらにより、件名(未成年者の飲酒防止に関する表示基準を定める件)や表示基準(未成年者の飲酒防止に関する表示基準)の「未成年者」が「二十歳未満の者」に改められています。

改正後 改正前
二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準
(酒類の容器又は包装に対する表示)
1 酒類の容器又は包装(以下「容器等」という。)には、「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨を表示するものとする。
2 前項に規定する表示は、容器等の見やすい所に明瞭に表示するものとし、表示に使用する文字は、6ポイント(日本産業規格Z八三〇五(一九六二)に規定するポイントをいう。以下同じ。)の活字以上の大きさの統一のとれた日本文字とする。ただし、容量360ml以下の容器にあっては、5.5ポイントの活字以上の大きさとして差し支えない。
未成年者の飲酒防止に関する表示基準
(酒類の容器又は包装に対する表示)
1 酒類の容器又は包装(以下「容器等」という。)には、「未成年者の飲酒は法律で禁止されている」旨を表示するものとする。
2 前項に規定する表示は、容器等の見やすい所に明りょうに表示するものとし、表示に使用する文字は、6ポイント(日本工業規格Z八三〇五(一九六二)に規定するポイントをいう。以下同じ。)の活字以上の大きさの統一のとれた日本文字とする。ただし、容量360ml以下の容器にあっては、5.5ポイントの活字以上の大きさとして差し支えない。

附則

  1. この告示は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。
  2. この告示の施行の日から令和4年3月31日までの間、第1項、第6項(表示に使用する文字に係る部分を除く。)及び第7項に規定する表示は、なお従前の例によることができる。

ノンアルコール飲料


 ノンアルコール飲料については、「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」にて、下記のように定義されています。

ノンアルコール飲料とは、アルコール度数 0.00%で、味わいが酒類に類似しており、20 歳以上の者の飲用を想定・推奨しているものとする。

 アルコール度数0.00%ですので、一括表示の名称としては、「清涼飲料水」や「炭酸飲料」等のように一般的な飲料と同様に表示をすることとなりますが、成人の飲用を想定しているものであることから、同自主基準にて下記の容器の表示等の基準が定められています。

  1. 製品に 20 歳以上を対象としている旨を表示する。
  2. 既存のアルコール飲料と同一のブランド名及び誤認を招くような類似する意匠は使用しない。

アルコール分(1%未満)を含む飲料


 アルコール分を1%未満である0.3%や0.5%等含む飲料については、「酒類」にも「ノンアルコール飲料」にも該当しない位置づけとなります。現時点では、アルコール分1%未満の飲料について定義された基準はありませんので、アルコール分を含みますが酒類には該当せず、一括表示の名称としてはノンアルコール飲料と同様に「清涼飲料水」や「炭酸飲料」等と表示することになります。

 酒類ではありませんので、アルコール分の表示や20歳未満の者の飲酒防止に関する表示は義務表示にあたらないことになりますが、アルコール分を含む旨や20歳未満の飲酒防止について同等の表示等、またノンアルコール飲料のように20歳以上を対象としている旨の表示が推奨されると言えるでしょう。

 対象が20歳以上を想定していると伝わることが、こうした商品の表示を考える上で大切と思われます。今後も新たな商品が開発・販売されていくと思いますが、その際の表示について1つの参考となりましたら幸いです。


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齊藤 恵美子
上級食品表示診断士。原材料、添加物の調査から食品表示の作成、チェックまで幅広い実務に従事しています。原材料規格書、配合表の整備などの業務を担当しており、お客様にとってより分かりやすい資料づくりをサポートできるよう取り組んでいます。
趣味はドライブ。

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