製造所固有記号の届出について~切り替えが必要な場合は、年内の届出を~

By | 2019年9月6日
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 2019年8月9日、消費者庁は「製造所固有記号制度の運用に係る周知・普及について」を通知し、新制度に基づく固有記号が必要な場合は、12月27日(金)までの届出をするよう呼び掛けています(届出が集中しており、それ以降に届出されたものの審査完了が経過措置期間をまたぐ可能性があるため)。今回の通知内容に加えて、製造所固有記号制度の運用の改正について、あらためてこちらにまとめてみたいと思います。

通知の内容


 今回の通知内容は、以下のとおりです。

  • 経過措置期間終了(2020年3月31日)後に製造される食品は、新制度に基づく表示を付す必要がある
  • 製造所固有記号も従来の固有記号は使用できなくなるため、新制度に基づく固有記号の届出を行う必要がある
  • 固有記号を使用予定であるが、まだこの届出を行っていない食品関連事業者は、速やかに届出を行う必要がある

 平成27年4月1日に施行された、食品表示法(平成25年法律第70号)に基づく食品表示基準(平成27年内閣府令第10号。以下「新制度」という。)につきましては、経過措置期間が令和2年3月31日をもって終了となり、経過措置期間終了後に製造される食品は新制度に基づく表示を付す必要があります。
 現在、食品関連事業者におかれましては、新制度に基づく表示を付した包装資材の切替えに向け、順次御対応いただいているところと承知しておりますが、製造所固有記号(以下「固有記号」という。)についても従来(平成28年3月31日以前)の固有記号は使用できなくなるので、引き続き使用する場合は、新制度に基づく固有記号の届出を行う必要があります。そのため、従来の固有記号を使用予定であるが、まだこの届出を行っていない食品関連事業者は、速やかに届出を行う必要があります。
 なお、経過措置期間の終了が目前に迫り、現在、固有記号の届出が集中しており、その処理に時間を要しております。そのため、これから届出を行う食品関連事業者につきましては、期間に十分な余裕をもって届出をしてください。現在の届出件数と処理状況から、令和元年12月27日(金)までに届出されたものに関しては、令和元年度内に審査が完了いたしますが、それ以降に届出されたものについては、審査完了が年度をまたぐ可能性があることを申し添えます。

引用:「製造所固有記号制度の運用に係る周知・普及について」より

 経過措置期間終了後も製造所固有記号を使う予定のある人で、まだ届出していない人は、年内に届出をしてください、ということです。ただし、こちらは「経過措置期間終了後も製造所固有記号が使用できる」場合に限ります。2016年4月1日に始まった新制度では、製造所固有記号を使用できる条件が改正されていますので、こちらに改正点を再確認してみましょう。

新制度に基づく固有記号について


 新制度における製造所固有記号は、包材の共有化のメリットが生じる場合にのみ認められることになりますので、原則として、同一製品を2以上の工場で製造する場合に限り利用可能(業務用食品を除く)です。「同一製品を2以上の工場で製造する場合」については、以下に詳しい説明があります。

製造所固有記号の表示は、原則として同一製品を2以上の製造所で製造している場合のように、包材の共有化のメリットが生じる場合にのみ認められます。 

引用:「食品表示基準Q&A」 別添 製造所固有記号(固有記号-1)3より

  1. 「同一製品」とは、同一の規格で同一の包材を使用した製品をいう。
  2. 「同一製品を二以上の製造所で製造している場合」とは、製造所固有記号の届出時に、次の2つの要件を満たすものとする。
    1. 2以上の製造所が、それぞれ、食品の衛生状態を最終的に変化させる場所であること。
    2. 製造所固有記号の使用によって包材が共有化されること

引用:「食品表示基準について」(加工食品)1 義務表示事項(6)5より

 上記の要件に当てはまらない場合は、新制度の下では製造所固有記号を使用できません。つまり、新制度移行前に製造所固有記号を使用していた場合で、上記要件を満たさない場合は、新制度においては製造所固有記号を使用することができず、製造者等の表示が必要になる、ということになります。
 なお、「同一製品を2以上の製造所で製造している場合」の具体的な考え方については、食品表示基準Q&Aの記載を参照してください。回答を要約すると、1.は「該当しません」、2.、3.は「製造計画書を添付して届け出るのであれば該当します」、4.は「届出時は該当しますが、1工場になった時点で製造所固有記号の使用を止め、記号の廃止の届出を行う必要があります」、となります。

以下の場合は、「同一製品を二以上の製造所で製造している場合」に該当しますか。

  1. 中間加工原料を製造する工場と、その後、それを用いて最終製品を製造する工場の2工場で製造する場合
  2. 繁忙期(例えば、年末の1~2か月間)だけ、2以上の工場で製造する場合
  3. 新商品について、売行きがよい場合には、2以上の工場で製造する予定がある場合
  4. 届出時には2以上の工場で製造しているが、届出の有効期間内に製造を縮小し、いずれ1工場で製造する予定がある場合

引用:「食品表示基準Q&A」 別添 製造所固有記号(固有記号-11)より

製造所固有記号を使用できる場合には

 新制度の下で製造所固有記号を使用できる場合には、以下の対応が必要となります。

  • 新制度に基づく固有記号の届出をすること
  • 表示の際には製造所固有記号に「+」を冠すること
  • 次のいずれかの表示をすること
    1. 製造所所在地等の情報提供を求められたときに回答する者の連絡先
    2. 製造所所在地等を表示したWebサイトのアドレス等
    3. 当該製品の製造を行っている全ての製造所所在地等

 該当する方は、一度通知を確認のうえ、早めの届出をされるとよいでしょう。


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川合 裕之
食品表示検査業をしています。国内と海外向けに、食品表示検査と原材料調査サービスを提供している経験をもとに、食品表示実務に関する講演をしています。

■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
食品メーカー勤務後、2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。

■主な著作物・寄稿ほか
【共著】
『新訂版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック』 (第一法規株式会社, 2019)

【寄稿】
・2021年10月『Wellness Monthly Report』(Wellness Daily News)40号
「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」
・2020年2月『月刊 HACCP』(株式会社鶏卵肉情報センター)「アレルゲン表示の現状と留意点」
・2017年~2018年連載 『食品と開発』(UBMジャパン)表示ミスを防ぐための食品表示実務の大切なポイント~

【講義】
・2009~2014年 東京農業大学生物産業学部 特別講師

■最近のウェビナー実績
・2022年4月26日 添加物不使用表示ガイドラインについて(3)各類型(公表版)の再確認と海外の動向について
・2022年4月7日 プラントベース(植物由来)食品の表示について~国内および海外表示制度の動向~
・2022年3月24日 添加物不使用表示ガイドラインについて(2)
・2022年3月17日 遺伝子組換え”からしな”の追加と「遺伝子組換えでない」表示の経過措置期間について
・2022年2月24日 添加物不使用表示ガイドラインについて(1)

■最近の講演実績
・2021年12月10日 食品表示関連規則の改正状況と今後の「食品表示」実務上のポイント
 株式会社ウェルネスニュースグループ様主催。
・2021年9月16日 新たな原料原産地表示のポイント~経過措置期間終了(令和4年3月末日)に向けて~
 株式会社インフォマート様主催。
・2021年5月24日 諸外国における食品安全法規制の違いにどう対処するか
 NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)様主催。
・2020年9月17日 表示ミスを防ぐための食品表示実務のポイント~消費者の健康と安全・安心を守ろう~
 越谷市 保健医療部 保健所 生活衛生課様主催。


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