サステナビリティに関する最近の食品表示動向

By | 2023年6月2日


 最近、サステナビリティ(持続可能性)が新しい動きや法整備のカギとなっています。食品産業におけるサステナビリティには、様々な異なる側面があります。この記事では、海外、特にEUと韓国で広く行われている食品廃棄物とプラスチック循環の取り組み2点に焦点を当て、それらの食品表示規制の動向を探ります。以下に最新の変更点や規制をまとめましたので、情報収集の一助となれば幸いです。

 EUですでに環境ラベルの義務化を実施しているのは、フランスとイタリアの2カ国です。EUは、再利用可能な資材を促進する一方で、不必要な包装や過剰包装の禁止など、無駄な包装に終止符を打つべく新しい提言を改訂しました。以下、そのポイントとなる点です:

  • 注目すべきは、提言の第5条と第6条が、サステナビリティとリサイクルの側面だけに特化されていることです。
  • 第6条では、すべての包装材はリサイクル可能でなければならないとしています。
  • 第46条では、2025年までに少なくとも包装破棄物の重量比65%をリサイクルすることとなっています。
  • 第8条では、4つの包装形態(ティーバッグとコーヒーバッグ、容器が使い捨て方式の紅茶・コーヒー、果物と野菜に貼付される粘着ラベル、軽量プラスチック製レジ袋)は堆肥化可能でなければならず、この包装は製品と共にバイオ廃棄物として取り扱うこととなっています。
  • 第9条では、同提言の附属書IVに記載された機能または性能に必要でないプラスチック包装の最小化、空きスペース、包装形態への一定の制限に焦点を当てています。特に1つの外箱の中に複数の包装がされていることが多い日本製品を輸入する場合、この要件が当てはまりますので留意することは有益です。
  • 第11条 リサイクルの内容、組成、消費者に対する分別に関する説明は、包装上に表示されなければならないとなっています。
  • 第12条では、2028年1月1日までに、包装廃棄物の各部材ごとに分別回収用するための廃棄物容器についても表示することを求めています。
  • 本規則の施行後、すべての包装には包装資材の組成を表示することが義務付けられ、再利用性を示すラベル、およびリユースに関する追加情報を提供するデジタルQRコードまたはデータキャリアを表示しなければなりません。

 同様に、韓国もこの動きには力を入れています。韓国では「資源の節約と再利用の促進に関する法律」が成立し、PVCは禁止され、PET包装は無色で取り外すことができ、ラベルも剥がしやすいものにしなければなりません。ラベルには、消費者にわかりやすいように、包装の種類や素材などの情報を表示する必要があります。

 また、同国では、プラスチック包装の廃棄物とは別に、廃棄物、特に食品廃棄物に対処する同様の取り組みを行っています。最近、新しい法律が施行され、前面表示から「賞味期限」表示を撤廃し、「使用期限」表示を採用することとしています。(食品等の表示・広告に関する法律、2021年、輸入食品安全管理特別法、2023年)。この規制は、まだ食べても安全な状態の食品が廃棄される食品ロスを減らすことを目的としています。そのため、食品メーカーは主に安全性を目的としたに期限表示を行う必要があります。

結論


 EUは改正に向けて進行中です。経済的、社会的、倫理的な影響を考慮すると、変更点や妥協点が出て来ることが考えられますが、これがEUの目指す方向性となります。韓国の規制はすでに施行されています。したがって、事業者は、輸出対象国の新たな要件に注意を払うことが重要となります。

(参考)
 以下は3つの国・地域における種類ごとに異なるタイプのリサイクルマークです。EU、韓国、日本では、リサイクルの主な分類は、プラスチック、紙、金属(缶、アルミ)、ガラスとなっています。EUは頭文字と数字、韓国は色とハングル文字、日本は対応する形と日本語文字で表示されているのが一般的です。素材の構成により、より詳細で具体的なマークで表示されるものもあります。

【EU】

【韓国】

【日本】

参照


[EU]

[韓国]

[日本]


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ウェン

ウェン

ベトナム出身。ワーヘニンゲン大学(オランダ)からインターンシップ生として日本に滞在中。生物化学を専門とし、食品安全に関する各国の制度について研究をしています。
趣味は新しい本を見つけることと、言語を学ぶこと。