公正競争規約に新しく「日本オリーブオイル公正取引協議会」が追加されました

By | 2023年5月2日


 「エキストラバージンオリーブオイル」の表示に関する公正競争規約が令和5年2月17日付で認定され、同条第四項の規定により令和5年3月22日に告示がなされました。

背景


 オリーブオイルは、世界43か国が加盟する国際オリーブ協会の国際規格(以下「IOC規格」)において、その製法の違い、精製の内容等により品質ごとに区分され、最も品質が高いものが「エキストラバージンオリーブオイル」とされています。
 日本は国際オリーブ協会に加盟していないことから、特に「エキストラバージンオリーブオイル」の品質、成分等に関する正しい情報を国内の消費者に伝え、公正な取引環境の整備を図る必要性があると判断されたものです。

定義


 「エキストラバージンオリーブオイル」とは、オリーブの果実のみから、機械的又は物理的手段によって、特に温度による油脂の変化を生じさせない条件により得られる油脂であって、次の要件のいずれにも該当するものをいいます。

(1) 水洗、デカンテーション、遠心分離及びろ過以外の処理をしていない油であること。
(2) エキストラバージンオリーブオイルの表示に関する公正競争規約施行規則(以下「施行規則」)で定める規格及び基準に合致していること。

必要な表示事項


 事業者は、エキストラバージンオリーブオイルの容器包装に、新しく「グレード」に関する事項を、施行規則に定めるところにより、見やすい場所に邦文で明瞭に表示する必要があります。

グレード
「エキストラバージンオリーブオイル」「エクストラバージンオリーブオイル」「エキストラバージン」「エクストラバージン」のいずれかで表示(「オイル」は「油」に置き換え可能)
一括表示欄にグレード表示として「エキストラバージンオリーブオイル」である旨を表示できるように規定されます。

アレルゲンコンタミの注意喚起表示
エキストラバージンオリーブオイルの製造工程において、アレルギー表示の必要な特定原材料を同一ラインで製造している場合については、食品表示基準等に従い表示し、特定原材料に準ずるものを同一ラインで使用している場合についても、アレルギー表示の判断に資する情報を提供することが望ましいこととされます。

まとめ


 今回のポイントは定義やグレード表示のほかに、特定原材料8品目のコンタミネーションの表示が必須とされているところといえるでしょう。エキストラバージンオリーブオイルの定義に品質が関与することを考慮してのことと思われますが、食品表示基準においてコンタミネーションの注意喚起は任意表示とされていますので、十分留意する必要があります。
これを機にコンタミネーションの表示の重要性についても改めて検討されるのもよいかと思います。


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調査チーム

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栄養学を専門とし、主に国内で流通される食品の原材料や表示案の調査業務に従事しています。