
2025年3月6日、「令和6年度 第5回日本版包装前面栄養表示に関する検討会」が開催されました。「これまでの議論を踏まえた⽇本版包装前⾯栄養表⽰ガイドラインの記載⽅針(案)」が提示されていますので、概要を以下にまとめました。
背景・目的
消費者の栄養成分表示の認知度と利用率の低さが背景にある。消費者の健康維持・増進のために、栄養成分表示をより利活用できるようにすること、また食品容器包装の見つけやすい箇所に栄養成分表示を行うことで、消費者が1日に必要な栄養成分等の量の目安を把握することを目的とする。
定義
日本版包装前⾯栄養表⽰とは、食品容器包装の⾒つけやすい箇所に、消費者庁指定の様式で、当該食品の熱量、たんぱく質、脂質、炭⽔化物及びナトリウム(⾷塩相当量に換算したもの)の量に加え、栄養素等表⽰基準値に占める当該量の割合を表⽰する取組である。
(表示方法)栄養成分等の量
原則として販売状態の可⾷部分の量を表示し、栄養成分表⽰と一致させることが望ましい。ただし、販売時と摂取時の栄養成分等の量にかい離が⽣じる⾷品については摂取時の量を表示できる。
(表示方法)栄養素等表⽰基準値に占める当該量の割合
栄養成分等の量を栄養素等表示基準値で割り、四捨五入した整数で示す。
(表示方法)食品単位
当該食品の1食分とし、1食分の量(個数、重量等)を併記する。また栄養成分表示と一致させることが望ましい。表示位置は様式の左上が基本であるが、困難な場合は、様式の近接箇所でも可能である。
販売時と摂取時の栄養成分等の量にかい離が⽣じる⾷品の取扱い
水で抽出するもの、水で希釈するもの、水で塩抜きするもの、湯切りするもの、一般的に牛乳等の単品を加え、調理を伴わないものは、摂取時の栄養成分等の量を表示することが望ましい。
今後のスケジュールについて
日本版包装前面栄養表示は「【資料2】日本版包装前面栄養表示の位置付けについて」に基づく議論の結果、導入のしやすさと既存の取り組みへの配慮などにより、現段階においては食品表示基準への位置づけではなく、独立したガイドラインとして進めるという意見で一致しています。ただしガイドライン導入後の評価の重要性も指摘されており、消費者の誤認防止や「分かりにくい」状況の具体化など、継続的な検討が必要であるとされています。
次回の検討会は2025年6月以降に開催予定です。日本版包装前面栄養表示の様式案についてのアンケート調査結果を踏まえて、ガイドラインの具体について検討される予定ですので、今後の動向に注目しておかれることをおすすめします。
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吉川 美波
趣味は旅行と外食と筋トレ。

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