加工食品の原料原産地表示の拡大について7~パブリックコメントの結果が公表されました~

By | 2017年7月4日
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2017年6月8日、消費者委員会食品表示部会が開催されました。2017年4月25日まで意見募集した原料原産地表示制度改正に関するパブリックコメントについて、集計結果をもとにした審議が行われています。主な内容としては、「経過措置期間」は5年程度が適当であるといった議論がされました。(その後6月29日開催の同部会において、経過措置期間を2022年3月末までとする諮問案が提出されました。パブリックコメント前の案では2020年3月末までとされていたことから、2年延長された形になります。)

寄せられた意見


今回の改正案に対し、寄せられた意見総数は8,715件でした。うち「おにぎりののり」に関する意見だけで3,000件以上あるのですが、2014年8月に意見募集された「食品表示基準(栄養成分義務化やアレルゲン、添加物表示、製造所固有記号等の改正)」に対する意見総数が4,329件であったことを考えると、今回の原料原産地表示制度の改正はやはり関心の高いテーマであるといえるでしょう。
意見募集の結果をまとめた「主な意見の概要と意見に対する考え方」を見ると、賛成意見の多くは同じような内容に集約されていますが、反対意見には様々な内容があることがみてとれます。また原料原産地制度の改正案に対して誤解されている意見も少なくなく、やはり複雑な制度であることを、あらためて感じさせられます。

変更点のポイント


今回の意見募集結果を受け、消費者庁より変更案が提示されています。大きく4点ありますので、順番に見ていきましょう。

  1. 「可能性表示」の呼称について
  2. 過去の産地別使用実績の期間の取り方について
  3. 経過措置期間について
  4. 消費者への普及・啓発について

『「可能性表示」の呼称について、「又は表示」という呼称も使用することとする』

“「可能性表示」などの表示方法の呼称は、法令に基づくものではなく、従来から、産地として複数の国の使用可能性がある点に着目して、「可能性表示」という名称で呼ばれていた。”
“「可能性」という言葉により、表示されている産地以外のものが使用されているかもしれないと消費者が誤認しないよう、「又は」でつないでいる産地のみを使用していることを明確にするため、「又は表示」という呼称も使用することとする。”

寄せられた意見に「改正案に基づく表示では一つの商品に対して複数の表示が行われるが、消費者がこれらの表示の意味を理解できないようであれば、周知、徹底を十分に行い、理解を深めたのちに実施すべき。」「可能性表示では、実際に自分が購入したいものが、本当はどこの産地なのか特定できない。」といった声が多く、誤認を防ぐためにこのような見直しを検討していると思われます。

『過去の産地別使用実績の期間の取り方について、「製造年から3年前の1年」も可とする』

“可能性表示及び大括り表示を行う場合の過去の産地別使用実績において、実績の根拠を1年とする場合、「製造年から3年前の1年は不可」としたところであるが、パブリックコメントにおける意見等を踏まえ、製造年から遡って3年以内の中で、1年以上であれば、期間の取り方に制限は設けないこととし、「製造年から3年前の1年も可」とする。”

寄せられた意見に「過去データの蓄積・管理と包装フィルムの改版タイミングを考えると、運用が困難な局面が想定されるため、3年前単年も許可してほしい。」「可能性表示について、実績の場合では最低3年前、計画については計画から2年間は認めてほしい。」といった声が多く、実行可能性確保のためにこのような見直しを検討していると思われます。

『経過措置期間について、見直しを検討する』

“経過措置期間は、「食品表示基準の経過措置期間と同様、平成32年(2020年)3月末」としたところであるが、新制度への移行に漏れをなくす観点から、パブリックコメントにおける意見等を十分考慮した上で、最終的に判断する。”

寄せられた意見に「経過措置期間として、平成32年(2020年)3月末から、あと1~2年ほしい。原料原産地対象商品が多く、調査・システム対応・切替えなどを段階的に交換する必要がある。」といった声が多く、実行可能性確保のためにこのような見直しを検討していると思われます。

『積極的な普及・啓発活動に加え、表示制度の理解度調査を実施する』

“新たな食品表示制度について、消費者向けQ&Aを始めとする消費者への普及・啓発のために分かりやすい資料を作成し、説明の場も積極的に設け、理解促進を図ることとする。また、新たな食品表示制度がどれだけ消費者に理解されたか、継続的に食品表示に関する消
費者意向調査を実施し、理解度を調査・把握していく予定。”

寄せられた意見に「広く消費者に普及・啓発活動することが求められる。数年後に消費者の理解度を調査することを要望する。」「例外規定が設けられたことは、実行可能性を担保する観点からやむを得ないものと考えるが、今後、新たな基準の周知を事業者だけに委ねず、国においてしっかりと対応してほしい。」といった声が多かったことから、このような施策を検討していると思われます。

経過措置期間は2022年3月末までに変更


以上の件について、各委員の意見確認が行われました。ただし経過措置期間については具体的な議論が行われ、「5年程度が適当」と結論付けられたのち、6月29日の同部会において「2022年3月末まで」とされました。次回食品表示部会は7月12日に開催される予定です。ご関心のある方は引き続き確認されるとよいと思います。

参照:
消費者委員会食品表示部会 第40回食品表示部会議事録
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/bukai/040/gijiroku/
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