
2026年3月17日、「第3回栄養機能食品に関する検討会」が開催され、その後取りまとめが公開されました。そのため前号から引き続きのテーマになりますが、主要な変更点を改めて整理できればと思います。(過去2回の検討会は当ブログでも取り上げておりますので、設定根拠については「令和7年度 第1回栄養機能食品に関する検討会について ~「下限値・上限値」および「栄養成分の機能」の見直し~」、「令和7年度 第2回栄養機能食品に関する検討会について」をご参照ください。)
下限値・上限値の改正
2025年版の日本人の食事摂取基準の策定に伴う栄養素等表示基準値の改正等を踏まえ以下のような改正案が提示されています(変更のあったものを抜粋しています)。
| 栄養成分 | 下限値 | 上限値 | ||
|---|---|---|---|---|
| 現行 | 改正案 | 現行 | 改正案 | |
| 亜鉛 | 2.64mg | 2.55mg | 15mg | 17mg |
| カルシウム | 204mg | 210mg | 600mg | 600mg |
| 鉄 | 2.04mg | 1.95mg | 10mg | 10mg |
| 銅 | 0.27mg | 0.24mg | 6.0mg | 4.6mg |
| マグネシウム | 96mg | 96mg | 300mg | 320mg |
| パントテン酸 | 1.44mg | 1.65mg | 30mg | 30mg |
| ビタミンB1 | 0.36mg | 0.30mg | 25mg | 25mg |
| ビタミンB12 | 0.72μg | 1.20μg | 60μg | 60μg |
| ビタミンD | 1.65μg | 2.70μg | 5.0μg | 5.0μg |
| ビタミンE | 1.89mg | 1.95mg | 150mg | 150mg |
| 赤字:現行から増加、 青字:現行から減少 | ||||
栄養成分の機能文言の改正
一部を除き文末表現を「栄養素のひとつです。」と共通する表現に改めるほか、以下のような改正案が挙げられています(微細な変更は省略し、主要な変更があったものを抜粋しています)。
| 栄養成分 | 主な変更点の概要 |
|---|---|
| 亜鉛 | 他に記載される機能に至る途中の機能であるため、 「たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ」を削除 |
| 銅 | 「日本人の食事摂取基準」の記載に合わせ、 「多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける」を削除 |
| ビタミンB1 | 「日本人の食事摂取基準」の記載に合わせ、 「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」を削除 |
| パントテン酸 | |
| 「日本人の食事摂取基準」の記載に合わせ、 「エネルギーを作るのを助ける」を追加 |
|
| ナイアシン ビタミンB2 |
|
| ビタミンC | 「日本人の食事摂取基準」の記載に合わせ、 「抗酸化作用により細胞を保護するのを助ける」「皮膚や粘膜、骨、血管のコラーゲン合成を助ける」に改める また、「鉄の吸収を助ける」を追加 |
| ビタミンE | 「日本人の食事摂取基準」の記載に合わせ、 「抗酸化作用により細胞を保護するのを助ける」に改める |
| ビタミンK | 「日本人の食事摂取基準」の記載に合わせ、 「骨を作るのを助ける」を追加 |
まとめ
今後の予定として来年度に摂取をする上での注意事項について検討が行われることが第1回検討会で挙げられておりますが、制度基準値および機能文言についてはこの取りまとめ内容をもとに食品表示基準の改正が行われるものになります。
改正後は数年程度の経過措置期間が設けられるものと思いますが、基準値および機能文言に関して大きな変更が加えられるものですので、同制度を利用または計画される方は今後とも注視が必要になるものと思われます。
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井上 慎也
調査担当 : 株式会社ラベルバンク
上級食品表示診断士。生物化学を専門とし、主に原材料、添加物、表示基準の調査業務に従事しています。FOODS CHANNELにて食品表示コラムを連載(2012年)、各地の産業振興財団イベントにおいて食品表示相談員としても活躍しています。
趣味は自転車。
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