新しい食品表示基準での栄養成分表示

By | 2015年8月1日
Pocket
LINEで送る

今回のコラムテーマは、「栄養成分表示」です。
実務担当者にとっては、分析値を用いる場合は検査担当者(もしくは外部検査機関)と、強調表示をする場合は商品開発担当者とそれぞれ密接に関わることから、なかなか自己完結のしにくい仕事の1つかと思います。まずは義務化の対象と、新基準に伴う変更点を整理してみます。

「栄養成分表示」が省略できる条件


新基準においては、原則として全ての消費者向けの加工食品と添加物を対象に、栄養成分表示が義務付けられます。そして対象となる食品であっても、省略できる条件が規定されています。それが下記の条件です。

  • 表示可能面積が30cm2以下のもの
  • 酒類、栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの、
  • 極めて短い期間で原材料が変更されるもの、
  • 消費税法第9条に規定する小規模事業者(課税売上高1,000万円以下)が販売するもの

旧基準からの主な変更点

  • ナトリウムを食塩相当量で表示(ナトリウム塩を添加していない食品にのみナトリウムの量を併記可)
  • 任意項目は飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、食物繊維、 糖類、糖質、コレステロール、ビタミン・ミネラル類、(うち飽和脂肪酸、食物繊維については積極的な表示を推奨)
  • 栄養成分表示の対象成分を明確に規定

そして実際の表示例は「例1」のようになります。
「ナトリウム」が「食塩相当量」に変わっているだけのように見えますが、任意表示の幅が広がっています。

(例1)

栄養成分表示

食品単位当たり

熱量  kcal
たんぱく質 g
脂質 g
炭水化物 g
食塩相当量 g

例えば「砂糖不使用」を強調(糖分は原料由来のみ)する表示をしながら、推奨される栄養成分も表示した場合は「例2」のような表示例となります。
※ 「砂糖不使用」の記載をした場合「糖類」の記載は任意ではなく必須となります。

(例2)

栄養成分表示

食品単位当たり

熱量  kcal
たんぱく質 g
脂質 g
 ?飽和脂肪酸 g
 ?n-3系脂肪酸 g
 ?n-6系脂肪酸 g
コレステロール mg
炭水化物 g
 ?糖質 g
  ?糖類 g
 ?食物繊維 g
食塩相当量 g
ショ糖 g

詳細な変更点の例


また、詳細な変更点の例はこちらです。

・糖質及び食物繊維の表示をもって炭水化物の表示に代えることはできません。
・様式は「栄養成分表示」と表示(「栄養成分値」、「標準栄養成分」等ではなく)。
・当該食品単位が一食分である場合にあっては、当該一食分の量を併記。
・栄養成分の内訳を記載する場合は、上位の表示より1字下げる。「?(ハイフン)」は省略可能。

上記の例では「砂糖不使用(糖分は原料由来のみ)」と強調表示をした場合ですが、旧基準では枠内に記載していた「ショ糖」を新基準では枠外に記載します。これは栄養成分表示の対象成分を明確に規定されたことによるもので、β- カロテンなども枠外への記載になります。

新しく必要になる食塩相当量は、ナトリウムの量に2.54を乗じて求めた計算値が使用できます(また外部機関で分析をする際の換算係数も2.54に変更されています)。また、栄養素等表示基準値や強調に関わる基準値も変更されていることから、栄養機能食品や強調表示をしてきた商品の表示を新基準に移行する際には、再度、基準値の確認が必要になります。

表示方法を間違わないことも大切ですが、表示と実際との整合性をもつことはより大切です。新基準移行に伴う実際の食品表示業務では、原材料に関する規格書の整備のほかに、栄養成分に関する分析値や計算値の根拠資料の整備など、情報管理体制について検討する機会になるのではと思います。

            

【参考】食品表示基準、Q&A(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/index18.html


Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です