栄養表示基準改正のポイント

By | 2013年11月8日
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2013年9月末に栄養表示基準の改正が行われ、表示の方法などが変更されましたので、今回は変更点について紹介いたします。

誤差の許容範囲の拡張


これまで、表示されている栄養成分量と実測値との間に認められる誤差は一律±20%(五大栄養成分の場合)とされていました。ただこの場合、含有量が少ない場合は、誤差の許容範囲も狭くなってしまうため、一部の栄養成分について、少含量の場合はパーセントによる許容範囲をやめ、絶対値(±○gなど)による許容範囲を追加する形となりました。これにより、誤差の許容範囲が拡大されることになります。

推定表示が認められる旨が追加


これまでも、計算上の値を記載することは可能でしたが、「実際に分析して得られた値」と「記載されている含有量」とが誤差の許容範囲を超えていた場合は不適正な表示となっていました。そのため、栄養表示を行う際は指定された分析方法で各栄養素の含有量を算出することを求められる場合が多く、その際に分析設備を持たない場合は外部の分析会社に委託する必要がありました。

ですが、今回の改正により、分析によって得られた数値の他、「合理的な推定により得られた値を記載することができる」ことが追加されるようになり、分析だけでなく文部科学省から出されている「五訂増補日本食品標準成分表」などをもとに計算によって得られた数値を記載することが広く可能となりました

 

推定値であることを記載する必要がある


必ずしも分析によって得られた数値でない場合でも記載が認められるようになりましたが、その際には栄養表示の近傍に分析値ではないことがわかるように
1.「推定値」
2.「この表示値は目安です。」
のいずれかの文言を含むことが必要となります。
(消費者への情報提供として、「日本食品標準成分表2010の計算による推定値」などと、設定根拠を併記しても差し支えありません。)

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栄養数値の根拠について


また、推定値による数値を記載する場合は、その数値を算出するに至った根拠
―例えば、計算値による推定値の場合は、
1. 採用した計算方法、
2. 引用したデータベースの名称、
3. 原材料について、配合量が重量で記載されたレシピ、
4. 原材料について、その栄養成分等の含有量を示す妥当な根拠に基づくデータ、
5. 調理加工工程表、
6. 調理加工前後における重量変化率に関するデータ―
を資料として保管する必要があり、たとえ推定値による数値算出が認められる場合においても、憶測や伝聞を根拠とした表示は認められないということになります。

 

栄養機能食品や栄養成分について強調表示を行う場合は推定値表示の対象外


1食中に栄養素が適切量含んでいるものとして、規定の機能性表示が認められる「栄養機能食品」や、「ビタミンCたっぷり」や「カロリーオフ」といったような特定の栄養成分について強調してパッケージに記載する場合は推定値による表示を認めておらず、これまで同様分析値による正確な値が求められる事になります。

今回の栄養表示の改正は、今後控えている栄養表示の義務化に関して、これまでに挙がっていた過剰な取り締まりや分析コストへの懸念に対応するためのものと思われます。

この改正に至るまでに、「本来食材個々の栄養にはばらつきがあり、悪意がなく良識の範囲で作成された表示については取り締まりの対象にすべきではない」という意見の一方で、「生活習慣病などの非感染性疾患予防の観点から、正確な表示値を確保する努力をすべきであり、断り書きをつけることで済ますことは適当ではない。」とする慎重意見もありました。どちらの意見も一概に間違っているものではなく、これを完全にルール化できるものでは無いと考えます。ただ、商品の特性から購入されるお客様の望まれる情報の提供であることを第一としてほしいと思います。


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