機能性表示食品の制度が始まりました。

By | 2015年4月1日
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2015年4月1日に食品表示基準が施行され、同時に機能性表示食品の届出が可能になりました。届出番号を記載のうえ、「本品には○○の成分が含まれるので、○○の機能があります」などの表示ができるようになります。制度を利用される方は、販売日の60日前までに届出する必要があります。届出する主な資料は安全性、機能性に関する科学的根拠資料で、その一部は消費者庁のウェブサイトで消費者向けに公開される予定です。

詳しくは、3月31日に公表された「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」にまとめられていますので、一度ご確認ください。

制度のポイントと社内体制づくり


研究開発から商品企画、品質保証までの業務フローに、臨床試験による安全性と機能性の確認作業が組み込まれている場合は、あとは健康被害の情報収集体制などの届出資料を作成すればスムーズに制度を利用できます。そうでない場合は、安全性であれば食経験評価、機能性であればシステマティックレビューなどの追加作業の想定が必要になるほか、機能性関与成分の同等性(定性、定量)の考察など基本的な社内体制づくりが求められます。

これは例えば、調査や試験で得た成分の情報と、自社商品に含まれる成分とが、同じ安全性と機能性をもっていることを確認する体制のことです。各種の試験や調査の外部委託も可能なのですが、最終的に機能性表示に責任をもつのは届出事業者ですので、この社内体制づくりがまず大きなポイントになるのではないかと思います。

試験、調査の注意点


今から新しく試験や調査に取り組む際の注意点についてですが、ここでは大きく2つ、「商品の形状」と「同等性の確認」について取り上げてみます。

まず多くの場合は、費用のかかる臨床試験よりもシステマティックレビュー(レビューワーの要件を満たせば社内で)の実施を検討されると思います。加工食品、生鮮食品の場合は観察研究の論文も対象にできますので疾病に罹患した被験者が含まれていても対象にできるのですが、サプリメント形状の商品の場合だと「健康な人での臨床試験とその論文」を対象とする必要があります(例外として「特定保健用食品の試験方法」の範囲内であれば軽症者が含まれたデータでも使用できます)。

このように商品の形状によって求められる科学的根拠に違いがある点が、この制度のポイントではと思います。

また販売したい商品に含まれる機能性関与成分の性質と、同等である成分を試験で使用した論文をみつける必要がありますので、機能性表示したい成分によっては使用できる論文自体が少なくなる可能性もあることも注意点といえるでしょう。

一般消費者への分かりやすさと課題


臨床試験の論文やシステマティックレビューを資料としてまとめることのほかに、「一般消費者向けの抄録」を作成して届出することが求められます。

専門用語を誤解の生じない範囲内でなるべく平易な言葉に置き換えて1,000文字以内でまとめるということになっていますが、この抄録と論文の内容が、そして表示の内容が適切に対応しているかを確認する管理体制も大切になるかと思います。

ここまで、機能性表示を目指す事業者向けに簡単に制度の概要と実務上のポイントを書いてみましたが、今回の制度の大きな特徴である「届出資料の開示」が、どこまで分かりやすくなるのかも重要な点だと思います。

開示された情報を消費者が読み込むには専門性が高い内容が多いのですが、そのハードルを下げる役割の1つが「抄録」といえます。誤認を与えない範囲内でどこまで分かりやすく科学的根拠を表現していくのか、どこまで分かりやすく機能性の表示をしていくのか、新しい課題について考えながら挑戦していくことが求められるかと思います。

【参考】機能性表示食品の届出等に関するガイドライン(消費者庁)
 
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150330_guideline.pdf


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