日本と海外の食品表示について

By | 2017年5月2日
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 いつも食品表示ブログをお読みくださいまして、ありがとうございます。今回は、このブログでも多く取り上げることになった、ここ数年の日本の制度の変化から振り返ってみたいと思います。

ここ数年の日本の食品表示の変化について


 数年で見れば、栄養表示基準の改正やアレルゲン表示の対象原材料追加、原産地表示の品目拡大、外食メニューに対する表示対策発表など様々ありました。ただ、現在改正中のものと混同しないよう、大きな変化のみを抜粋いたします。

  • 2015年4月 食品表示基準施行(食品表示に関する基準の一元化)
  • 2015年4月 機能性表示食品の制度の新設
  • 2016年4月 製造所固有記号の制度の改正(データベースの運用開始)
  • 2017年予定 原料原産地表示制度の改正

 「食品表示基準」では、添加物と添加物以外の原材料の区分を明記することになった点、栄養成分表示が義務化された点、そしてアレルゲン表示の方法が改正された点が大きな変更点となりました。国内で生産される食品だけでなく、輸入食品も含めた大きな改正と言えます。
 「機能性表示食品」制度では、食品の機能に関する科学的根拠を届出することで、商品への機能性表示が可能になりました。制度開始から2年間で800商品以上が届出を受理され、その科学的根拠が公開されるなど、市場に大きな変化をもたらしています。
 「製造所固有記号」の制度改正については、原則2以上の工場で製造する場合に限り利用可能となり、多くの商品で製造者名と所在地が表示されつつあります。また、消費者庁のWEBサイトでは、固有記号が示す製造者と所在地が数多く公開されるようになりました。
 そして「原料原産地表示」の制度改正が、現在パブリックコメントの募集を終了し、この夏に正式に施行される見通しとなっています。輸入食品を除くすべての加工食品に義務付けられることになりますので、こちらも大きな変化と言えるでしょう。

海外と日本の食品表示の主な違い


 この数年間、日本と同様に海外でも食品表示に関する制度改正が多くありました。日本の食品の輸出先国として人気のあるEU諸国やアメリカ、アジア各国においても同様です。これらの国々に食品を輸出する際には、日本との制度の違いを知っておく必要があります。まずは、日本から見た主な違いをまとめてみたいと思います。

  • アレルゲンの対象原材料の分類が大きく、確認範囲としては広くなる場合がある
  • アレルゲンの表示に太字、下線などの強調が必要になる場合がある
  • 物質名での添加物表記を求められるなど、表記方法が異なる場合がある
  • 原材料としての「水」の表記が必要になるなど、計算手順が異なる場合がある
  • 添加物と添加物以外の原材料の表示区分がなく、記載順序が異なる場合がある
  • アルコールなど特定の原材料を使用した際、指定された表示が必要となる場合がある
  • 栄養成分の表示項目が細かく、また1日摂取量%などの表記が必要になる場合がある
  • 栄養補助食品の扱いが日本と異なるなど、対象となる表示基準が一般食品と異なる場合がある
  • 多言語での表示を想定した規則があり、言語間の整合性確認が必要な場合がある

 
 その他、文字の大きさやフォントに関する規則もまた国によって様々です。

 上記は「表示基準」について、ざっと思いつく限りを並べてみたものですが、実際の輸出時には「規格基準」についても確認が必要です。例えば香料など添加物の定義や、添加物使用基準(用途、使用量など)も国によって異なり、そして食品の定義自体も異なります。例えば同じ原材料ながら「チョコレート」と表示できる国と表示できない国があることになります。

輸出食品に対する確認業務について


 世界各国には、ラベルバンクと同じように食品の原材料使用基準確認や、使用原材料と食品表示の整合性確認を行う機関があります。ここ数年間で少しずつ受託してきた輸出向け食品の確認業務について、昨年より各国の複数の検査機関、企業と提携をすることにより、さらに正確な調査と確認ができる体制を構築してきました。制度も文化もそれぞれ異なる国の方々と同じように仕事を進めるのは難しいですが、国内の仕事と同様、1つ1つ丁寧に対応していきたいと思います。
 また、各国の原材料使用基準や表示基準等の確認に必要な「各国基準データベース」構築についても、提携を始めました。ニュースリリースがあると思いますので、後日あらためてご紹介できるよういたします。

 原材料や表示の確認は、多国間で食品を流通したいと思うときに発生する大きな課題の1つと言えます。各国検査機関、企業によって得意とする専門分野も異なりますが、現地の知見をうまく活用し、日本で食品を生産製造される方にとって、海外輸出に関する確認業務をお手伝いできるようしていきたいと思います。また、そこで得た経験等も、こうしたコラムや講演等でみなさまにお伝えできるようしていきたいと思います。

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