加工食品の原料原産地表示の拡大について4 ~すべての加工食品対象、重量割合上位1位、原則国別重量順表示~

By | 2016年11月2日
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 2016年9月23日、消費者庁と農林水産省の共催による「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」の第9回目が行われ、今後の表示制度案が提示されました。第10回目として中間とりまとめ案が検討される段階まで来ていますので、制度の大枠についてはこの路線で進められるものと思われます。

原則は国別表示


特徴をあげると以下のようになります。

  • 国内で製造し、又は加工した全ての加工食品を義務表示の対象とする。
  • 製品に占める重量割合が上位1位の原材料を義務表示の対象とする。
  • 国別に重量の割合の高いものから順に国名を表示することを原則とする。
  • 原産国が3か国以上ある場合は、3か国目以降を「その他」と表示することができる。

案では具体例もいくつか示されています。

名称 カレー
原材料名 牛肉(オーストラリア)、チーズ、ソテー・ド・オニオン、…(略)
名称 ポークソーセージ
原材料名 豚肉(カナダ、アメリカ、その他)、豚脂肪、たん白加水分解物、…(略)

国別重量順表示の例外について


 ただし、対象原材料の過去一定期間における国別使用実績又は使用計画(新商品等の場合には今後一定期間の予定)からみて、産地切替えなどのたびに容器包装の変更が生じ、国別重量順の表示が困難であると見込まれる場合には「可能性表示」が認められます。(消費者の誤認が生じないよう、過去の使用実績等に基づく表示であることを容器包装に注意書きが必要。また、過去の使用実績等の根拠となる書類の備置き等が必要。)

名称 ポークソーセージ
原材料名 豚肉(カナダ又はアメリカ)、豚脂肪、たん白加水分解物、…(略)

※豚肉の産地は、平成○年の取扱実績順

 その際、3以上の外国の産地表示に関して容器包装の変更が生じると見込まれる場合には、「大括り表示」として、3以上の外国産を「輸入」と括って表示することができます。

名称 ロースハム
原材料名 豚ロース肉(輸入)、糖類(水あめ、砂糖)、食塩
名称 こいくちしょうゆ
原材料名 大豆(輸入、国産)、小麦、食塩

 また、輸入と国産の重量順表示が不可能である場合には、「可能性表示」と「大括り表示」の組み合わせも可能となります。

名称 ポークソーセージ
原材料名 豚肉(輸入又は国産)、豚脂肪、たん白加水分解物、…(略)

※豚肉の産地は、平成○年の取扱実績順

 なお、対象原材料が中間加工原材料である場合には、その原材料の製造地を「○○(国名)製造」と表示することになります。

名称 清涼飲料水
原材料名 りんご果汁(ドイツ製造)、果糖ぶどう糖液糖、果糖

誤認の防止と根拠資料の準備が大切


 検討会で繰り返し議論されていたテーマは、「消費者に誤認を生じさせない」ことでした。今回の制度案は、消費者が原産地情報をより詳しく得ることができるようになるとの評価もある一方で、例えば「輸入又は国産」では分かりにくく誤認を与えかねない、と心配する声もあります。
 事業者の立場としては、そうした誤認や不安を生じさせないよう、基本的には原則である分かりやすい国別表示を志向することになると思います。ただ、取り扱い食品によっては、実行可能性の問題から可能性表示や大括り表示とならざるを得ないケースも多数でてくるものと思われます。
 その際には、容器包装に過去の使用実績等に関する注意書きをした上で、ホームページ等での情報提供を行うことで、分かりにくい面を補完することが望まれると思います。そして「過去の使用実績」等の証拠となる書類の備え置きが必要になりますので、現在の規格書管理業務のなかで、作業手順を整理しておくことが大切になるでしょう。

 また、「重量順表示」であることから、「使用割合」に関する誤認を生じさせないことも必要となります。具体的には使用割合が少ない場合についてですが、制度案では「使用割合が極めて少ない産地については、消費者の誤認が生じないよう、例えば、割合を表示する、
又は、○○産と表示しないなどの表示方法を講じる」こととされています。同じ原材料の中での使用割合が頻繁に変わる場合は、その情報管理も大切になるといえます。

 改正にあたっては一定の移行期間を設けるとされていますが、何年何月など具体的な実施時期には触れられていません。検討会の今後として、11月2日に中間とりまとめ案が検討される予定となっていますので、関心のある方は検討会情報を確認されておかれるとよいと思います。

参照:加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会(消費者庁サイト)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/kakousyokuhin_kentoukai.html

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