加工食品の原料原産地表示の拡大について2

By | 2016年6月2日
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 2016年4月27日、第4回目の「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」が開催され、その議事録が公開されました。読んでみると改めて、いろいろな立場があると感じましたので、検討内容をまとめてみたいと思います。

『可能性表示』、『大括り表示』、『加工地表示』とは


 検討会では「可能性表示」等の案に対して意見が交わされていますが、まずはこれらの用語を知っておく必要があります。検討会資料のなかで、整理されたものがありますので下記に抜粋します。(以下、出典は「原料原産地情報の表示方法について」(平成28年3月31日)消費者庁・農林水産省)

1.切替え産地を列挙する
『可能性表示』
A国産、B国産又はC国産の原料を使用する可能性がある場合
原料原産地名:A国又はB国又はC国
2.「国産」・「外国産」又は「輸入」といった
『大括り表示』
A国産、B国産又はC国産の原料を使用する可能性がある場合
原料原産地名:外国産
3.輸入中間加工品の
『加工地表示』
A国で加工した中間加工品(原料の産地は不明)を使用する場合
加工地:A国

原料原産地表示(主に実行可能性)の課題


 そして上記の表示案の提示に至った背景である、各課題も整理されていますので抜粋します。主に実行可能性に関する内容が記載されています。

対応する表示案 課題
1.『可能性表示』
2.『大括り表示』
課題1:頻繁な原材料産地の切替えへの対応
・複数の原産国の原材料を使用している場合には、重量の多い順に記載する必要があることから、主原料の原産地が季節によって変動したり、複数の原産地のものを混合使用したりする際に、その都度重量順が入れ替わったり、国名が変わることに対応して、その都度包材を切り替えるのは不可能。
・仮に対応可能な場合だとしても、複数の包材を用意するために表示コストが上昇するのみならず表示ミスを招きかねない。
2.『大括り表示』 課題2:物理的スペースの制約
・容器包装の面積は限られており、多種の原料の産地を表示することは困難。
・限られた表示欄に多種の原料の産地を表示した場合、商品購入時に必要な情報を直ちに探し出すのが困難な、分かりにくい表示となる。
3.『加工地表示』 課題3:原料原産地情報の分からない輸入中間加工品への対応
・原材料に輸入された中間加工品を使用している場合、海外では原料の産地を伝達するルールがないため、輸入国は分かっても原料の産地までは正確な情報を入手できない場合がある。

各表示案のメリットとデメリット


 そして各表示案のメリットとデメリットも整理されていますので、抜粋します。

メリット デメリット
1.『可能性表示』 ・課題1が解決できる。 ・「A国又はB国又はC国」と表示されている場合、実際には商品にA国産の原材料が含まれていないケースが発生する。この場合、商品の内容と表示の内容に不整合が生じることになる。
2.『大括り表示』 ・課題1及び2が解決できる。
・原料原産地情報などの食品の情報開示の仕組みに係る検討が行われているが、事業者が消費者に対しウェブサイト等を通じて情報提供を行うことにより、消費者はより多くの情報を入手することが可能になる。
・「購入した商品にはどの国で作られた原材料が使われているかまで知りたい」という消費者の要望には応えきれない。
・国産原料と輸入原料を両方使用している場合は、○○(国産、外国産)」などとなってしまう。(なお、食品情報のウェブサイト等を通じた開示の仕組み方によってはこれら2点の課題を補完することが可能とも考えられる。)
3.『加工地表示』 ・課題3が解決できる。 ・当該中間加工品の原料の原産地の表示であると誤認されないよう工夫する必要がある。

 ほとんど検討会資料の抜粋になりましたが、こうした案をもとに、これまでに各関係団体(主に生産者、加工食品事業者、消費者)のヒアリングと意見収集を終えています。今後は、中小事業者の事情の調査と、海外(原産地表示制度のある韓国)の事情などを考慮しながら、検討が進んでいくものと思われます。関心のある方は、下記検討会ページを引き続き確認されてみてはいかがでしょうか。

参照:
加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/kakousyokuhin_kentoukai.html
「原料原産地情報の表示方法について」(平成28年3月31日)消費者庁・農林水産省
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/pdf/160331_shiryou3.pdf
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