原材料表示の基本は情報の整理。

By | 2016年1月5日
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今回は食品表示を作成する上でおそらく最も大変な作業となる「原材料名」について取り上げます。食品表示基準の施行で原材料名欄は原材料と添加物をわけて表示することが原則とされました。使用する原材料や配合が変われば、原材料表示も変わります。原材料表示には「アレルギー」と「添加物」の表示が含まれるため、実務の多くの場合で重要管理点になってくるでしょう。

原材料表示に必要な情報とは


正しい原材料表示を作成するためには、「仕入れた原材料の規格書(もしくは原材料表示)」の情報を取り寄せ、以下の項目を確認する必要があります。

原材料規格書から確認しなければならない情報

■使用されているすべての原材料名とその配合割合(もしくは重量順がわかるもの)
■添加物として使用されたものの用途(酸化防止剤など)
■原材料と添加物に含まれるアレルゲン(義務7品目、推奨20品目)など

これら以外にも、商品によって確認が必要な情報もあります。たとえば、ポップコーンのように「とうもろこし」を原料とした焼菓子を作成する場合や、せんべいなど米菓やだんごを作成する場合には、それぞれ遺伝子組み換えと原産地に関する情報が必要です。「植物性の○○を使用」など強調した表示をする場合には、その由来を確認するための情報が必要です。

商品によって、原材料規格書から確認しなければいけない情報

■遺伝子組み換えに関する情報
■原料原産地に関する情報
■原材料の由来、基原に関する情報など

ここで事例を見てみましょう。たとえばキッチンにある原材料を組み合わせて、新しいお菓子を作ったとします。知り合いの店から買い付けたばかりのドライアプリコットに自家製のチョコレートをコーティングしたものに、通販用の原材料表示を作ります。

まず、チョコレートにはスキムミルクを加えたのでアレルギー表示を記載しました(「乳成分を含む」の部分)。そして配合割合から原材料を重量順に並び替え(原材料名は使用した原材料をすべて重量順に表示するのが原則)、またチョコレートにはバニラエッセンスを加えたので、添加物の項目に記載しました。さて、これは正しい表示でしょうか?

原材料 ドライアプリコット、砂糖、ココアバター、カカオマス、脱脂粉乳(乳成分を含む)
添加物 香料

※新しい食品表示基準にもとづき、原材料の表示を「原材料名」「添加物」にわけています

答えは、「特にドライアプリコットに関する情報が足りないので正しいかどうかは判断できない」です。

ドライアプリコットに「亜硫酸塩」など添加物が使用されていないか、ほかにアレルギー表示が必要な二次原料がないか、などを確認しなければ正しい表示を作ることができません。

回答見本はこのような感じです。

原材料 ドライアプリコット(あんず、大豆油)、砂糖、ココアバター、カカオマス、脱脂粉乳(乳成分を含む)
添加物 香料、漂白剤(亜硫酸塩)

※亜硫酸塩はドライアプリコットが最終製品で形を保つ仕様のため、表示が必要
※大豆油は精製時にアレルゲンが除去されるため、アレルギー表示は不要と考えられるが、なるべく情報提供できるように記載することが望ましい

正しい表示でなかった場合、まずはシールやパッケージの再印刷が必要になります。

なかでも添加物やアレルギーの表示漏れがあった場合は、多くはお客様にお知らせして回収となるので注意が必要となりますが、特にアレルギーについては、事故を起こす前に気づくことができる環境を整備することがより大切と言えるでしょう。

原材料表示で間違いを起こさないために必要なこと


上記の例から、原材料に関して必要な情報をまとめた規格書の一般的な様式例をまとめてみます。

原材料名 配合割合 由来 産地 アレルギー 遺伝子組換 添加物用途
アプリコット 97% アメリカ
植物油脂 2.9% カナダ
L 大豆油 (99%) 大豆 大豆 非組換
L V.E (1%) 酸化防止剤
二酸化硫黄
(亜硫酸塩)
0.1% 漂白剤

原材料表示の基本は重量順ですので、作業時間の多くが重量計算にかかるでしょう。数十以上の原材料名の項目が配合割合で並んでいることも一般的です。

ただこの作業は時間がかるとはいえ、計算間違いに注意して確認すれば「間違えそうなポイント」を予測しやすいでしょう。原材料表示で一番間違えやすいのは、以下の2つのケースです。

1. 情報が不足し過ぎて、どの箇所を確認すればよいのかわからない
2. 情報が多過ぎて、どの箇所を確認すればよいのかわからない

大切なことは、、「何の情報を確認するかを決めておく」ことです。

これらの問題を解決するには、、「書類管理チェックリスト」などを用意して、取り扱う情報を整理しておくとよいでしょう。またその書類をチェックするときにも、以下の点に注意しながらみていくとよいでしょう。

【絶対に必要になる情報】
■使用されているすべての原材料名(添加物含めた2次原材料まで)の情報はあるか
■また、それらの配合割合(もしくは重量順)の情報があるか
■添加物として使用されたものの用途(酸化防止剤等)の情報があるか
■原材料と添加物に含まれるアレルゲン(義務7品目、推奨20品目)の情報があるか

【あることが望ましい情報】
■その原材料を使用した際に必要となる表示の例

【場合によって必要になる情報】
■遺伝子組み換えに関する情報があるか
(大豆、じゃがいも(ばれいしょ)、とうもろこし等の表示対象原材料を主に使用している場合)
■原料原産地に関する情報があるか
(緑茶等の表示対象食品である場合、もしくは米等の表示対象原材料を使用している場合)
■表示の根拠となる情報があるか
(その他パッケージ等で強調している表示がある場合)

情報の整理が最も重要です


原材料表示は、賞味期限や商品名を除けば一般消費者の方が最もよく見る箇所です。最も食品表示らしい表示部分でもあります。それだけに、確認作業でとても重要な箇所なのです。その上でも大切なのは、とにかく「情報の整理」と言えます。

次回は、原材料のうち「アレルギー表示」についてもう少し詳しくまとめてみましょう。


この記事は、株式会社インプレスさまに寄稿したコラムです。
株式会社インプレスさまの記事はこちら https://netshop.impress.co.jp/node/2446

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